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『 投手コーチの教え 』吉井理人氏 講演録:第2回 プロ野球選手と指導者のコミュニケーション

4/9(日) 10:10配信

コーチ・エィ

本記事は、2017年1月23日に行われた講演を元に記事にしております。
講演では、吉井コーチがどのような経緯でコーチになり、どのような考えで現在コーチングに取り組んでいるかについてお話しいただきました。今回は、「第2回プロ野球選手と指導者のコミュニケーション」をお届けします。


『 投手コーチの教え 』吉井理人氏 講演録 全6回
第1回 日ハムの投手コーチを引き受けるまで
第2回 プロ野球選手と指導者のコミュニケーション
第3回 仰木・野村監督、名指導者たちから学んだこと
第4回 ルーキーからダルビッシュまで、異なる4つの育成ステージとは?
第5回 観察、質問、そして相手の立場になって考える
第6回 投手コーチの仕事は選手のコーチングだけではない

コミュニケーションの失敗は選手生命をリスクにさらす

指導者と選手の関係について、まずは「コミュニケーション」という観点からお話ししたいと思います。

プロ野球の世界には、能力があっても、十分に力を出せないという選手がいます。その原因の一つが、コーチとのコミュニケーションの失敗です。コーチとコミュニケーションがうまくいかなくて、選手生命を終えてしまうというケースもあります。コミュニケーションなので、どちらにも責任はあるかもしれませんが、僕自身は、コーチの側の責任がより大きいと思っています。

これは自分の経験ですが、プロになって3年めに初勝利を上げた夜、2軍の監督と乱闘になりかけたことがあります。試合が終わって寮で食事をしていたら、2軍の監督がやってきて、やぶから棒に「今日は勝ったけど、あんなピッチングではダメだ」と言ってきました。最初は、監督だし、仕方がないと思って聞いていたのですが、10分も15分もお説教が続いたので、だんだん頭にきてしまって、監督につかみかかりそうになったことがあるんです。先輩たちが止めてくれたので乱闘にはならずに済んだのですが、もし殴っていたら、僕の野球人生はそこで終わっていたかもしれません。選手が指導者を殴るというのはご法度です。

いまから思えば、その監督は、僕が天狗にならないように釘を刺してくれたんだと思うんです。ただそれが、上からガーッというようなコミュニケーションだったために、僕には受け取れなかった。僕も僕で、そこで我慢できずに監督に向かっていったという点で、子どもだったと思います。

このように、コミュニケーションの行き違いで、能力があったとしても、選手として活躍できずに終わってしまうということもあり得るわけです。

いまのエピソードは一つの例ですが、ほかには、こんなケースがあります。

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最終更新:4/9(日) 10:10
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