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てるみくらぶだけじゃない!「コンプライアンス違反」で倒産した企業数の実態は?

4/9(日) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

‘15年に不正会計が問題になった東芝や、財務内容を隠蔽したまま破産直前まで営業を続けたてるみくらぶなど、企業のコンプライアンス(法令遵守)を問う声が近年、高まってきている。

 では、業法・法令違反や脱税、粉飾決算など「コンプライアンス違反」が一因となった企業の倒産数はどう推移しているのか。

 調査・リサーチ会社の東京商工リサーチは4月7日、「2016年度 『コンプライアンス違反』倒産動向」についてまとめた調査結果を発表した。

◆コンプライアンス違反の倒産件数は減少

 調査によると、2016年度にコンプライアンス違反が一因で倒産した企業は前年の191件から6.8%減の178件だった。これは2014年度から2年連続で前年度を下回っていた。

 コンプライアンス違反で倒産したこの178件だが、違反内容別で見ると、建設業法や医師法などの業法違反、金融商品取引法や特定商取引法などの法令違反、行政処分、代表者の逮捕などを含む「その他」が79件で最多だった。次いで、脱税や滞納などの「税金関連」が64件。この2つの要因がともに増加傾向にあり、全体の8割を占めていた。

 国税庁が公表した「2015年度租税滞納状況」によれば、税金の滞納残高(国税が納期限までに納付されず督促状が発付された金額)自体は1999年度以降、17年連続で減少している。

 しかし、2015年度の新規発生滞納額は前年度より16.1%も増加し、税目では消費税の割合が高くなっている。今後も脱税や滞納など「税金」関連のコンプライアンス違反の動向には注意が必要だ。

◆産業別の倒産件数は?

 産業別で倒産件数が多かったのは、「サービス業ほか」が63件と、全体の35.3%を占めていて最も多く、次いで建設業が26%、製造業が25件、卸売業が20件という結果だった。最も少なかったのは金融・保険業の1件だった。

 この結果を、東京商工リサーチは「企業にコンプライアンス順守の意識が浸透すると同時に、緩やかな景気回復と金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの政策効果もあって企業倒産を抑制しており、コンプライアンス違反企業の経営破綻が表面化するケースが少なくなっているとみられる」と分析。

 しかし、その一方で「中小企業は大手に比べ業績回復のピッチが鈍く、今後の景気動向によってはコンプライアンス違反が露呈して経営破綻するケースが増える可能性も残している」と留意を促している。

 景気動向の回復に伴い、コンプライアンス違反が原因の倒産件数自体は減少傾向にあるものの、企業規模や産業別による歪みはいまだに存在している。コンプライアンス違反がないかどうか、これからも念入りに注視していく必要があるだろう。

【参照】

東京商工リサーチ「2016年度『コンプライアンス違反』倒産動向」

<取材・文/HBO取材班>

ハーバー・ビジネス・オンライン