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「ZOZOTOWN」ツケ払い2カ月 CMが言わない破滅リスク

4/10(月) 5:57配信

デイリー新潮

〈人のやらないことをやれ〉とは、古来伝わる商売の鉄則。が、それは往々にしてリスクを生み出す。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」が打ち出した商法は画期的でありながら、肝心の消費者が恐ろしいリスクを背負いかねない。

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 同サイトを運営するのは「スタートトゥデイ」社。98年に起業した前澤友作社長は、千葉マリンスタジアムの命名権も獲得、総資産2000億円と言われ、タレントの紗栄子の交際相手としても知られる人物である。経済部記者が言う。

「ZOZOTOWNが11月から始めた『ツケ払い』サービスは、限度額を税込5万4000円とし、請求書による支払いを最大2カ月延期できる。おもにクレジットカードを持たない若年層にすそ野を広げました」

 運営会社の17年第3四半期(16年4月~12月)業績は、売上高で前年同期比42%増の537億円というから、まさに快進撃だ。

 そこで、実際にサイトからツケ払いで買い物を試みた。生年月日や住所氏名の入力は必須であるものの、「利用規約」に同意して「会員登録」をクリックすれば、限度額までツケで買い物が可能で、年齢制限はない。スタートトゥデイに聞くと、

「未成年者がご利用する場合は、保護者の同意が必要です。登録する前に利用規約を確認して頂いています」(秘書広報部)

 と言うのだが、利用規約は読ませるだけで、チェック欄もなし。つまりは子供が親に内緒で簡単に買い物ができてしまうシステムなのだ。さらに、

「状況次第ですが、カード破産を経験された方でもご利用頂けます」(同)

 これでは、親御さんの不安はいや増すばかりだ。

■風俗への“入口”に…

 企業法務に詳しい渥美陽子弁護士が言う。

「事実上、誰でも簡単にツケ払いが可能となっており、少なくとも未成年者については、法定代理人の承諾書をデータで提出させるなどの対応をすべきでしょう。安易な与信は、判断能力が未成熟な若者の金銭感覚を狂わせるおそれもあります」

 経済アナリストの森永卓郎氏も、こう懸念するのだ。

「枠を何十万円とすれば焦げ付くでしょうが、最後は親が支払ってくれるラインを5万円としたのでしょう。うまい商売だと思いますが、昔から購買欲求を抑えられない若者は多い。かつて丸井がカードで月賦販売し、若者のカード依存という社会問題を引き起こしましたが、あれを彷彿とさせます」

 むろん、親に助けて貰える子ばかりではない。借金を抱えた女性が夜の街で弁済を余儀なくされるのは、毎度お決まりのパターンだ。『日本の風俗嬢』(新潮新書)の著書があるライターの中村淳彦氏が言う。

「若い女の子が風俗嬢になる要因はカネに尽きます。今回のツケ払いも、間違いなくその“入口”となります。5万円が払えず風俗に流れるのかと思うかもしれませんが、時給800円のバイトではせいぜいひと月5、6万円。膨れ上がる借金はまず1、2万から始まる。徐々に少額の借金に慣れてしまい、生活を圧迫し、精神を追い詰めていくのです」

 成人相手のタバコでさえしつこくリスクが言い立てられるご時世。こんな商売されては、年端のいかない子など、ひとたまりもない。

ワイド特集「花も花なれ 人も人なれ」より

「週刊新潮」2017年4月6日号 掲載

新潮社

最終更新:4/10(月) 17:55
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