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悪徳商法に泣き寝入りしない!消費者保護の法律を学ぼう!Vol.2

4/11(火) 11:00配信

Meiji.net

どんな悪徳商法も投網に掛ける消費者契約法
川地 宏行(明治大学 法学部 教授)

◇不当勧誘による契約は原則として取り消せる。

 悪徳商法の類型を問わず、不当勧誘があれば消費者に契約の取消権を認めるのが消費者契約法です。消費者契約法は、特定商取引法(旧訪問販売法)のように不当勧誘が起こりやすい取引を類型化してクーリング・オフを認めるというような法律ではありません。
 事業者と消費者の間で結ばれた契約であれば、すべてに適用されます。

 消費者契約法では、まず、不当勧誘による契約は取り消せると規定しています。詐欺まがいの不実告知や、「絶対に儲かる」などの断定的判断の提供も不当勧誘事案にあたります。

 また、消費者の家にやって来た事業者に「出て行ってくれ」と言ったのに出て行かなかった不退去。
 逆に、消費者が店舗や事務所から出て行くのを妨害した退去妨害も、強迫まがいの勧誘として不当勧誘事案になります。
 クーリング・オフのように無条件に契約を解消することはできませんが、不当勧誘があったことを証明できれば、クーリング・オフの期間(8日間)が過ぎていても、契約を取り消すことができます。

 さらに、消費者契約法には不当条項規制も盛り込まれました。消費者にとって不当な内容の契約条項を無効にする規定です。
 例えば、一週間前のキャンセルでも全額を支払うという契約条項があったとしても、その条項は無効とされ、キャンセル料は平均的な損害額の範囲内となります。事業者が、消費者は契約書の内容を確認して契約したと主張しても、それは認められません。

 このように、現在では、特定商取引法において特定の取引類型についてはクーリング・オフが認められており、また、売買契約などが取り消された場合は割賦販売法によって信販会社への返済を拒絶できる規定が設けられています。

 そして、特定商取引法の対象となっていない取引類型やクーリング・オフの期間が過ぎた場合でも、詐欺まがいや強迫まがいの不当勧誘があれば消費者契約法によって契約を取り消せる仕組みとなっています。

 さらに、適格消費者団体によって、不当な契約条項の使用を差し止める訴訟を起こせる制度が2007年に、損害賠償請求訴訟を起こせる制度が2016年に施行されました。消費者を保護する法律は年々拡充しているといえます。

 しかし、その上には、契約の拘束力を大前提とする民法があることは知っておいてください。どのような事業者との契約であれ、契約は慎重に行うことが重要です。

次回は、法律によって消費者を救済した事例について解説します。

※取材日2017年2月

Vol.3 トラブルの多くは、クーリング・オフで解決できる(4月12日公開予定)
Vol.4 特定商取引法の対象外には消費者契約法を適用(4月13日公開予定)

川地 宏行(明治大学 法学部 教授)

最終更新:4/11(火) 11:00
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