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小さな家で良質の暮らしをーー米のタイニーハウス映画化

4/11(火) 22:19配信

オルタナ

米国で床面積が10~40平方メートルという超コンパクトな「タイニーハウス」が注目されている。この小さな家を紹介する米国のイベントには6万人が集まるほどだ。日本でタイニーハウス製作や普及活動を行っている竹内友一さんらは、実際に米国でタイニーハウスに住む人たちに焦点を当てて映画を制作、日本全国で順次上映する。そこには、大量消費に疑問を呈し、家を小さくすることで自分に本当に必要なものを見直したいという人たちの新たな価値観と暮らしが見える。(箕輪弥生)

アメリカンドリームのひとつでもある大きな車、広い家。それと対極にあるような超コンパクトな狭小住宅に移り住む人が米国で増えている。コロラド・スプリングスで行われた「タイニー・ハウス・ジャンボリー」には6万人が集まり、タイニーハウス関連のビジネスも活発だ。米国ではタイニーハウスを利用したホテルや、いくつかのタイニーハウスが集まって暮らすコミュニティも生まれている。

一般的なタイニーハウスは、狭小スペースに寝室、キッチン、シャワールームがコンパクトにまとまり、トレイラーのシャーシに載せて移動できるものがほとんどだ。中には太陽光発電やコンポストトイレが装備され、オフグリッドを実現している住まい手もいる。確かに大きな家に比べて、エネルギーや使う資源は少なくて済む。だが、タイニーハウスが注目される理由はこういったハード的な理由だけではないようだ。

ほとんどのアメリカ人は収入の1/2~1/3を住居のために使い、30年以上のローンを組んで家を購入するケースが多い。リーマンショックなどの経済危機をきっかけに、大きな家を購入し、たくさんのモノに囲まれローンを払い続けるよりも、自分が大切だと思うことに集中し時間を使いたいと考える人が増えた。そういった人たちが選んだオルタナティブな暮らし方がタイニーハウスである。

身の丈の暮らしを探して豊かに生きる

「タイニーハウスには人生を変える力がある」とタイニーハウスビルダーであり、日本でのタイニーハウスの第一人者でもある竹内友一さんは言う。なぜなら、家をダウンサイジングすることで、自分に必要なものを見つめ直すことにつながる。過剰なモノを手放し、時には誰かとシェアすることで経済的にも時間的にもゆとりが生まれ、コミュニティや自然とつながる暮らしが始まるからだ。

実際どのような暮らしぶりなのかを紹介するため、竹内さんは映像作家の松永勉さんらと共に、2年をかけて実際に米国西海岸でタイニーハウスに住む人を訪ね、「simplife」というドキュメンタリー映画にまとめた。現在、全国を自作のタイニーハウスと共に移動しながら上映会を開いている。

映画では、大量消費型の暮らしに疑問を感じてタイニーハウスを自作し、持ち物を10分の1に減らして大きな家から移り住んだ3人家族や、トレイラー付きのタイニーハウスに住んで全米を移動しながらジャーナリストとしての仕事も行うカップルなど計15組の暮らしが映像化されている。狭いながらも窮屈ではなく、個性的でアイデアに富む暮らしぶりが描かれる。

映画の中でタイニーハウスに住む人が自分の暮らしを表現する際によく出てくる言葉が「human scale」だ。「身の丈」とでも言うのだろうか。モノを手放して自分が本当に必要とするサイズに削ぎ落としていくと、逆に自由になり、自分らしい暮らしを見つけることができると彼らは伝える。日本でもじわじわ注目を集めるタイニーハウス。竹内さんは「映像を通じて自分らしい暮らしとは何かを考えてほしい」と話した。

映画 Simlife : http://simp.life/

箕輪弥生

最終更新:4/11(火) 22:19
オルタナ

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