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野武士の如き剛健なる豆腐!沖縄伝統の「島豆腐」の作り方&味わい方

4/11(火) 21:10配信

サライ.jp

文/鳥居美砂

中国の明時代に編集された『本草綱目(ほんぞうこうもく)』(1596年刊)に、「豆腐の法、淮南王(わいなんおう)劉安(りゅうあん)より始まる」の一節が出てきます。劉安は前漢の初代皇帝、劉邦の孫にあたるので、時代でいえば紀元前の話になります。ところが、その説を証明する資料が出てきません。

中国の文献に「豆腐」の文字が初めて出てくるのは、10世紀に記された書物『清異録(せいいろく)』です。ですから、現在では劉安が豆腐の始祖というのは、伝説として語り継がれていると考えられています。

では、日本にはいつごろ伝わったのでしょうか。

それは平安時代後期のこと。明からその製法が伝わり、当時の一大商業都市、奈良で豆腐作りが始まりました。京の都では室町時代になっても豆腐は作られておらず、奈良から豆腐売りが商いに来ていたといわれます。

豆腐は別のルートでも、日本に渡来しています。16世紀の終わり、朝鮮出兵の際に土佐の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)が、朝鮮半島から豆腐職人を連れ帰ったと伝わっています。

そして、もうひとつのルートが琉球、ここ沖縄の地です。

14世紀頃、中国からの使徒、「冊封使」(「さくほうし」、あるいは「さっぽうし」ともいう)に同行した調理人が伝授したそうです。

沖縄の豆腐の特徴は、その大きさと硬さにあります。民俗学者の柳田国男は、<野武士の如き剛健なる豆腐>と表現しています。
重石をかけ、水分を抜いてしっかり押しかため、1丁の重さは約1キロ。とくに、野菜と一緒に炒めるチャンプルー料理には欠かせません。

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伝統的な作り方を守っている豆腐は「島豆腐」と呼ばれます。ひと晩水に浸けておいた生の大豆を絞って豆乳を取る「生絞り」製法で作られ、その後大きな地釜で煮ます。そこから「地釜豆腐」とも呼ばれています。

一般的な豆腐は、大豆を煮て搾ってから豆乳を取る「煮立て搾り」という製法で作られます。煮立てて搾った豆乳に、ニガリを加えて固めていく方法です。一方、島豆腐は「生搾り」という製法です。生のままの豆乳を大きな地釜(ハチメー鍋ともいう)で煮てからニガリを加えます。

沖縄では、できた豆腐を水にさらすことはしません。冷蔵庫にも入れずに、出来たてがそのまま売られています。スーパーでも、地釜豆腐は通常の豆腐と売り場が分けられています。冷蔵ケースとは別に、常温の売り場が設けられ、熱々のものから売れていきます。出来たての「あち(熱)こーこー」が最上なのです。

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最終更新:4/11(火) 21:10
サライ.jp