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チャイナリスクが過去最高に猛威を振るった、2016年度の企業倒産の実態

4/11(火) 16:20配信

HARBOR BUSINESS Online

 海外向けの格安ツアーで有名だった「てるみくらぶ」が3月27日に東京地裁へ自己破産を申請した。ずさんな経営が招いた破綻は、海外渡航者の自主帰宅や、旅行代金が返金トラブルに発展するなど、大きな社会問題に発展したことは記憶に新しい。

 そんななか、大手調査リサーチ会社の「帝国データバンク」は、同社が毎年度発表している「全国企業倒産集計」の2016年度報を4月10日に発表。中国の景気減速や中東情勢の緊迫、半島情勢など、波乱含みだった2016年度の企業の業績を早速、見てみたい。

◆8年連続で倒産件数は前年度を下回る

 2016年度の企業の倒産件数は8153件。2015年度の8408件と比べて3.0%減となり、8年連続で前年度を下回る結果となった。しかし、前年度比の減少幅で見ると、2014年度の10.5%、2015年度の7.0%と、2年連続で縮小するなど、予断は許さない状況のようだ。

 背景には建設業や製造業など7業種中6業種で、地域別では関東や近畿など9地域中6地域で前年度を下回り、幅広い業種・地域で倒産件数が前年度比減少となった店が挙げられるという。

 一方、負債総額では、2016年度が1兆9465億円1500万円と、2015年度の負債総額、1兆9063億8600万円を2.1%上回る結果となった。ただ、これは負債トップとなった「パナソニックプラズマディスプレイ」の倒産が5000億円と全体を押し上げたためである。

 事実、各種金融支援などを背景に、大型党産(負債50億円以上)の件数は34件と、2000年度以降で最少を記録している。

 また、昨年度は上場企業による倒産は年間で1社も発生しなかった。これは1990年度以来、なんと26年ぶりのことで、2015年度9月に第一中央汽船(民事再生法、東証1部)が倒産して以降、18か月連続で発生していない。

◆今後の倒産動向は?

 昨年度の返済猶予後倒産は430件となり、2013年度以来、3年ぶりに前年度比増加に転じている。返済猶予後倒産とは、中小企業の資金繰りを助けるための中小企業金融円滑化法を利用して、返済猶予を受けたにもかかわらず、倒産するケースのことを指す。

 これは元本の返済余力に乏しい企業が抜本的な経営改善計画を策定することは難しいためであり、経営者の高齢化などを背景に事業継続を断念するケースが多いという。

◆チャイナリスク関連倒産は2年連続増

 さらに2016年度は中国経済減退の煽りを受けた「チャイナリスク関連倒産」が116件も発生している。これは集計を開始した2014年度以降、2年連続の増加で、過去最高となった。年度半期ベースでも、2015年度上半期は41件だった倒産件数が、2016年度下半期は62件も発生するなど急増していた。

 中国経済の成長鈍化が懸念されるなか、現地子会社や取引先企業の業績悪化といった要因だけでなく、国内では人件費の高騰などのリスクが日本企業の経営に影響を与えている。

 2016年度は倒産件数自体は減少傾向にあるものの、チャイナリスクなどのマイナス要因もあり、減少幅は2年連続で縮小している。国内企業の動向にこれからも注視していく必要があるだろう。

【参照】

帝国データバンク「全国企業倒産集計 2016年度報」

<取材・文/HBO取材班>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:4/11(火) 16:25
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