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港区内格差:“港区特権階級”に属す一握りの男。そこに群がる女たちと、うごめく欲望

4/11(火) 5:20配信

東京カレンダー

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

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港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区女子を卒業した女

大きな窓ガラスから差し込む木漏れ日に、凛子は思わず大きく背伸びする。

昨年末に婚約し、一緒に住み始めた雅紀の家は有栖川宮記念公園に面した低層マンションで、港区とはいえ、ここは格別の静けさを誇る。

綺麗に掃除され、生活感が全くない大きなアイランドキッチンに向かい、美容に良いと言われて久しい白湯をそっと飲む。

32歳になったが、“港区で凛子の存在を知らない人はいない”と言わしめた美貌は衰えるどころか、最近では更に肌ツヤが増している。

大理石で造られた洗面所へ向かい、ドゥ・ラ・メールのクリームを顔と首にたっぷり塗りながら、今日の予定を考える。



凛子は、雅紀と出会うまで港区の中心で10年間生きてきた。日々変わりゆく人間模様。欲望と嫉妬が渦巻き、それが街の輝きとなって、まるでブラックダイヤモンドのように眩く光る港区。

今はそのダイヤモンドの輝きは、1.5カラットの指輪となり、左手の薬指に収まっている。

キラキラと太陽光に反射して光る指輪を眺めていると、美奈子からLINEが入った。

―凛子、今夜何してる?佐藤さんの誕生日会が『1967』であるの。久しぶりに行かない?

港区エンパイア、牙城崩せず

佐藤隆二郎。港区で知らない人はいない有名人だ。

10年前に一緒に遊んでいた港区女子の友達は、半分以上が姿を消した 。Instagramでたまに見かける人もいるが、LINEの連絡先は知らない。港区女子の友情なんてそんなものだ。

そんな中、美奈子は貴重な“港区女子生き残り組”だった。

―行く! 20時開始ということは、21時半くらいでいいよね?

幸い、今夜雅紀は出張で香港にいる。

クローゼットからISSAの、胸元が綺麗に開いたワンピースを取り出し、マノロ・ブラニクのグレーパンプスと、以前誰かに貰ったケリーを合わせた。



「凛子!相変わらず今日も綺麗だね!」

45歳にもなるというのに、例年通り豪勢に行われている、佐藤らしい誕生日会。『1967』には、佐藤になんとか見初められようとしている若い女性が溢れていた。

「佐藤ちゃん、相変わらず元気そうで何よりだわ。おめでとう。」

軽く挨拶し、すぐに去ろうと思っていたが思いのほか知り合いが多く、なかなか帰れる雰囲気ではなくなってしまう。

港区は狭い。特にカースト制度のトップに君臨する者たちは、皆繋がっている。

今日の佐藤の誕生日会にも、テレビや雑誌で大活躍のコンサル会社経営者に、ワイドショーで世間を賑わせたIT社長。先日某女優と婚約を発表し、“相手はイケメン青年実業家”と報道されていた飲食店経営者など、世間からも注目度が高い有名人たちが顔を揃えている。

彼らは皆、港区エンパイアの中でキングのような絶対的立ち位置を誇る"特権階級"だ。

そしてこの“特権階級”に所属できる者はほんの一握り。この階級には強固な結束力があり、他の介入は許されない。(トライアスロンチームへの参加率も異常に高い。)

その下に構えるのが、トランプの絵札で言うところのジャックになるだろうか。

若手社長や雇われ社長が多く、特権階級入りを目指して頑張っている。彼らはまだ自分の専用車はないし、自由度も低い。

しかし、ある日突然キングの座を奪う可能性も秘めている。

そしてキングにもジャックにも属さない、 “その他”と分類される者たちがいる。いわゆる“先生”と呼ばれる職種が多く、経済力はあるが何故か階級には入っていない。

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最終更新:4/13(木) 18:20
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