ここから本文です

データ分析を昇華し経営層につなぐ:デロイトアナリティクス 矢部誠氏

4/13(木) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

企業にとってデータ分析の重要性が増していることは既知の事実。近年は人工知能ブームにより企業の投資は上向いていると言われ、「IoT」のバズワードでその重要性が高まっていくと考えられる。

IoTで重要なのは…?

企業がデータ分析をビジネスに取り込む過程で、データのサイロ化やビジネス側による分析の評価など課題も出てきたが、どう乗り越えるか。国内に300人のデータ専門家を抱え経営とデータ分析をつなぐサービスを提供する、デロイトアナリティクス日本統括責任者の矢部誠氏は、DIGIDAY[日本版]の取材に対し、こう主張した。

* IoTで重要なのは必ずしもデータの絶対量ではなく、データの質の向上とバラエティの広がりにより、分析の精度が向上し対象を拡大できること

* 人工知能やロボティクスの活用により、データ分析の前処理などが自動化されることで、データサイエンティストの仕事は高度化する。データサイエンティストは、ビジネスサイドが分析結果をアクションにつなげられる洞察に変えていくために、より積極的に関与する必要がある

* 企業内のデータは縦割りの組織体制に対して意外なほど従順であり、社内の政治的要素や不文律などに左右され、サイロ化しがちだ

* データマーケットには可能性がある。ただし、特にプライバシーに関連したデータの共有や売買はデータを提供する人々に「気持ち悪い」という感情を抱かせない形にしないと、受け入れられないだろう

*日本のマネジメント層に求められるのは、イノベーションを進める人やチームが動きやすいよう、しがらみに縛られない組織横断的なサポート体制を構築し、彼らと一緒に、それまでに積んできた経験による勘とサイエンスを融合させることに挑戦することだ

IoTで重要なのはデータのバラエティ

IoTではデータ量の爆発が話題にされることが多いが、矢部氏は重要なのは必ずしもデータの絶対量ではないと指摘する。

「常にデータは分析の処理容量を上回る大きさで存在し続けています。そのトレンドは昔から変わっていません。分析は許容時間内に結果を導出するためのデータ量、計算量との戦いであり、コンピューティングパワーやストレージキャパシティを常に上回るデータが生成されています。そういったトレンドの中で、2000年代はサーバーなどの計算機単体で処理できない計算量やデータ量を賄うために分散処理を導入しました。その後、コンピューティングパワーが一層高まったため分散環境を統合し、企業は環境を仮想化しています。そして、今度はネットワークを介した分散処理技術が確立され、クラウドストレージが急速に発達したためクラウドに集約してきました」。

「現在におけるトレンドはIoTの進展と拡大で、データを生成するスピードと量に対する要求が再びクラウドで賄いきれない状況になっており、『どうデータをクラウドに上げるのか』という課題に対して『エッジの部分でデータを処理する』(エッジコンピューティング)となってきています。この大きな流れはデータ分析環境がデータウェアハウス、データマート、FPGAを活用した並列処理基盤、Hadoopなどの分散処理基盤、クラウドコンピューティング、エッジコンピューティングというトレンドで統合化と分散化を繰り返しながら、『データをいかに吸収するか』ということ課題に取り組んでいるといえます」。

「産業機器に搭載されたセンサー(IoT)が1ミリ秒ごとに生成する稼働情報があったとして、その利用目的によっては1ミリ秒単位で処理することが必要なものだけではありません。1秒間に1000個ログが出てきたとしても処理が必要なのは、毎分、毎時かもしれませんね。そうすると今度はデータを間引く技術が必要になります。必要なデータや粒度を選別して分析に最適なデータを生成する(間引く、集約する)ためにエッジコンピューティングが有益な側面があると思います」。

洞察、分析のために最適な量でデータを揃えることも非常に重要になる。データの量というよりはデータのバラエティ、属性情報が豊かになっていくなかで分析できるものの可能性や精度がかわっていく、と矢部氏は説明した。

1/4ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

DIGIDAY[日本版]

株式会社メディアジーン

デジタルマーケティング戦略情報に特化した
USブログメディア「DIGIDAY」の日本版。
国内外の最新情報を独自視点でお届けします。