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アトレティコが直面する課題。ダービーとCLで見えた盾型チームの現在地【西部の4-4-2戦術アナライズ】

4/14(金) 11:50配信

フットボールチャンネル

 アトレティコの躍進を受けて、復活の感がある4-4-2システム。15/16シーズンのCL決勝では攻撃力不足という問題にぶち当たったアトレティコだが、その課題は解決できているだろうか。『サッカー 4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化』(カンゼン)を上梓した著者が、シメオネ率いるチームの現在地を読み解く。(文:西部謙司)

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レアルとのダービー、同型のレスター戦という試金石

 レアル・マドリーとのダービーを1-1で引き分けたとき、ディエゴ・シメオネ監督はガッツポーズをみせていた。サンチャゴ・ベルナベウで終盤に追いつき、勝ち点1をもぎとった(相手から2ポイント奪った)。首都のライバルであり、2度もCL決勝で苦杯を喫した相手でもある。

 ところがミッドウィークのCL準々決勝の第1戦でレスターを1-0で破った後のシメオネは、さしてうれしそうな様子ではなかった。ホームでの最少得点差は、アウェイでの第2戦を考えると十分とはいえない。セビージャもホームでは勝ったが、アウェイで負けてCLから脱落している。

 アトレティコの課題は攻撃力の増強だった。昨季のCLファイナルでレアルにボールを持たされると状況を打開できなかった。しかし、盾型のチームがプレースタイルを変えるのは容易ではない。レアルとのマドリー・ダービー、同じ堅守速攻型のレスターとのゲームは、今季のアトレティコにとって試金石だった。

まずは守備ありき。フィールドを広く使わず狭く攻撃

 サンティアゴ・ベルナベウでプレーするレアルはCLのときのような戦法は採らない。従ってアトレティコも本来の堅守速攻で対抗した。1点リードされて終盤に入ってから攻撃カードを切り、レアル守備陣の隙間を縫うような突破からグリーズマンが決めた1点は大きな成果といえるかもしれない。

 レスター戦では、バーディーと岡崎のハイプレスを巧みなポジショニングで空転させ、間延びした隙間に縦パスをつないで前半を優勢に進めた。

 だが、昨季の課題を解決できたのかといえばそうではない。

 レスター戦の後半は、レスターが4-5-1で守備を固めると追加点を奪えなかった。レアル戦のグリーズマンのゴールは見事ではあるけれども、レアルは守りにはいって強いチームではない。

 そもそもアトレティコのサッカーは守備を基調にしている。攻撃の基本はフィールドを広く使うことだが、アトレティコは狭く攻撃する。中央を経由する攻撃は少なく、タッチライン沿いに狭い地域を執拗に攻め込んでいく。ワンタッチパスやフリックを織り交ぜながら、サイドのスペースへ入れ替わり立ち替わりプレーヤーをローテーションさせていく攻撃は確かに鮮やかだ。

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