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就活で活用できる!面接官の心に響く「微表情の使い方」

4/14(金) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

 こんにちは、微表情分析者の清水建二です。

 今回と次回にわたっては、就職面接で利用できる微表情と感情の扱い方についてご紹介させて頂きます。

 私は微表情の専門家として、採用面接官の側に応募者の微表情の読みとり法や感情の扱い方をアドバイスさせて頂いているのですが、ここ2年ほどは面接を受ける応募者の側への依頼も頂くようになり、応募者の方々に使い勝手のよい感情の扱い方に関するアドバイスをしています。

 そこで今回は、面接を受ける・受けた学生さんや転職者の方々から「役に立った!」「なるほど!!」との声が多く聞かれる面接時における微表情の活用法や感情の扱い方をご紹介いたします。

◆面接官の微表情に応じてトークの長さと濃淡を調整

 私のセミナーや研修を受講される前の参加者から耳にするよくある反応は、

「微表情さえ読みとることが出来れば、他者の心の中を読みとることが出来る!!」

 というものです。しかし、微表情を面接コミュニケーションの中で効果的に活用できるかは、微表情を読みとった後にいかに相手の感情に合ったリアクションが出来るかにかかっています。つまり、微表情を読む・読まない以前にしっかりと事前準備をしておくが重要となります。

 例えば、私は学生さんに志望動機や学生時代に力を注いだ話題―面接で想定されるよくある質問―について、1分、3分、5分バージョンを用意してもらうようにしています。主張は同じものの、具体例の長さやエピソードの深さを調節します。

 こうすることで同じ内容でもその濃度が違うバージョンを用意することが出来ます。その用意を前提に面接官の顔によく浮かぶ微表情の注目ポイントをお伝えします。

◆質問を受けたら、最初は1分バージョンで話せ

  面接官の質問を受けたら、最初は1分バージョンで話します。

 1分バージョンで話しているとき、面接官の眉が上がる表情・微表情を観たら、3分バージョンに移行します(もしくは面接官がすぐさま質問してくるかも知れないため、「3分バージョンを話す」心の準備をします)。

 眉が上がるという表情は「興味・関心・驚き」を意味します。したがって、面接官は学生さんの話に興味を持ちもっと聞きたいと思っているので、具体例が濃い3分バージョンあるいは5分バージョンで話を続けるのがオススメです。

 もし面接官の眉が下がる・鼻の周りにしわのよる表情・微表情を観たら、1分でとりあえず話を止めます(1分話しきる必要もないこともあるでしょう)。

 眉が下がるは「怒り」もしくは「熟考」、鼻の周りにしわのよる表情は「嫌悪」を意味します。面接という状況でこうした感情がみられる場合、学生さんの話をクリアに理解できていないという可能性があります。具体的には、話が具体的・抽象的過ぎる、話すスピードが遅すぎる・速すぎる、声が大きい・小さすぎるというものです。

 したがって、1分(以内)で話をストップし、断りを入れてからもう一度丁寧・慎重に質問に答える、もしくは面接官からのリアクションや質問を待ち、それに対応する形で面接官の心に響くと思われる適切な具体例を3分、5分バージョンから引き出す、というのがオススメの戦略となります。

◆感情を組み込めば、オリジナルな回答になる

 次に、感情の扱い方についてです。

 よく学生さんから「どうすればオリジナリティーのある回答が作れるのですか?」という質問を頂きます。学生さん曰く、自分の過去の活動を志望動機などに落とし込んでも「どこにでもある」回答になってしまうというのです。この質問に対する私の解答は、自分の感情・行動・体験の解釈を回答に組み込む、というものです。

よくある失敗・克服体験の質問を例にご紹介します。

面接官:嫌なことでも成し遂げた経験はありますか?

応募者:はい、あります。…(1)

就職活動の一環としてTOEIC(英語の試験)の勉強を始めました。最初はいやいやはじめた勉強でしたが、勉強を続けるうちに楽しくなってきたのです。勉強の仕方を工夫したのがその要因です。具体的に言いますと…中略…。…(2)

この体験を通じて、嫌なことに思えてもやってみなければわからないこと、嫌なことでも本気になれる自分を発見しました。「まずはやってみる」、向き・不向きはそのあと考えるという姿勢が大切だと思いました。…(3)

 (1)は質問に対する直接的な答えや主張です。(2)は(1)の答えや主張をサポートするための具体例です。普通、学生さんは(1)(2)まではほぼ完璧に答えることが出来ます。しかし、これだとなかなかオリジナリティーがある回答になりにくいばかりか、面接官の心に響きません。

 そこで、(3)の視点を組み込むのです。つまり、(2)に対して抱いた感情やその解釈を伝える、という視点です。

◆就活だけでなく、営業マンにも有効

 (2)の具体例にあたる体験は、そうそう特異な体験談は多くありません。

 冒頭の学生さんの悩みの通り、誰もが似たり寄ったりになることが多いでしょう。しかし、ある体験に何を感じどう解釈するかは、人によって様々です。ここがオリジナリティーを発揮できるポイントであり、もっと言えば、どんな特異な体験ー世界一周旅行や海外ボランティアなどの特別な体験ーをしていても、ここがなければ、面接官から「君は結局、その体験から何を学んだの?」となりかねないのです。

 ここでご紹介させて頂いたことは、就職活動中の学生さんや転職希望者の方々だけに限らず、営業マンや交渉に携わる方々にも役に立つ内容です。

 自分の持っている情報を相手の微表情・感情の流れに沿って適切に出し入れする、よくある話・商材でも自分の感情や体験の解釈を加えることで魅力あふれる話や商材に変化させる、そんなことが可能になるのです。

 次回は、面接官の立場に立ったアドバイスをご紹介したいと思います。

※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

<文・清水建二>

株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマの監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。

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