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奇岩がそびえ立つ景勝地 ベトナム最新の世界遺産チャンアンへ!

4/14(金) 12:01配信

CREA WEB

初の複合遺産をボートで巡る

 フエの建造物群やホイアンの旧市街など、ベトナムには多くの旅行者が訪れるユネスコ世界遺産が点在しています。現在その数は計8つ。北部や中部に数多く集まっており、なかでも海面から無数の奇岩がそびえ立つハロン湾は、ベトナム北部観光のハイライトとして絶大な人気を誇っています。

 しかし、「同じ世界遺産に行くのなら、もう少しディープなものも見てみたい」という人も多いのではないでしょうか。

 そんな方におすすめしたいのが、ベトナム北部の首都ハノイから南へ車で約2時間、ニンビン省にある「チャンアン」です。チャンアンはハロン湾と同様に石灰岩質のカルスト地形をもち、海ではなく大地からニョキニョキと奇岩がそそり立つ、いわば中国の「桂林」のような場所。

 同地域にある「タムコック」は以前から知る人ぞ知る観光スポットでしたが、それら一帯を含め2014年に「チャン・アン複合景観」として世界遺産に登録されました。世界遺産は自然、文化、複合と、内容により分類がなされていますが、同地域は自然・文化的価値ともに高く評価され、ベトナムで初めて複合遺産となった場所でもあります。

 そんなチャンアンでまず堪能してほしいのは、やはり美しい景観。大地を水が浸食することで生み出された奇岩の谷間にキラキラと輝く水が流れ、その起源は一説によると約2億年以上前にさかのぼるとも言われています。

 世界遺産に指定された部分は、緩衝地帯も含めて約1万2000ヘクタール以上をほこり、その一部を小さな手漕ぎボートに乗って巡るボートツアーが人気アクティビティとなっています。

1000年の歴史をほこる古都へ

 チャンアンのもうひとつの魅力としては、古の時代から続く人々の営みも見逃せません。たとえば同地域には約3万年前から人類が住んでいたと言われており、現在調査中の一部の遺跡からは、約1万年前の人骨が発掘されたこともあります。

 また、チャンアンを訪れた際にぜひ立ち寄ってほしいのが、ボート乗り場から北へ車で5分ほどの場所にある古都ホアルーです。ここはハノイへの遷都が行われた李(リー)朝の前、10世紀後半に栄えた丁(ディン)朝と前黎(レー)朝の都で、当時の王を祀る祠には、今も多くの人々が参拝に訪れています。

 ベトナムといえば、けたたましくクラクションを鳴らすバイクの洪水などのイメージがありますが、この地域はそんな都会の風景とはまったく異なる姿を見せてくれます。緑豊かな大地、山々と川に抱かれ生活を送る、穏やかな笑顔がまぶしい人々……。

 とはいえ、登録からまだ間もないこともあり、同地を訪れる観光客はまだ、それほど多くはありません。雄大な自然に囲まれながら手漕ぎボートで静寂の地を巡る、そんな旅を楽しめるのは、もしかすると今のうちだけかもしれません。

杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム・ホーチミン市在住のエディター&フォトグラファー。広告代理店・編集プロダクション「GRAFICA」代表。日本で編集者として活躍後、渡越。在ベトナムは10年を超える。女性誌や旅行誌、機内誌などの取材・撮影・コーディネートを通じ、幅広くベトナム情報を発信中。

杉田憲昭

最終更新:4/14(金) 12:01
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