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おいしいパン屋が集まる街、鎌倉へ ワインに合うパンを探しに出かけよう

4/16(日) 12:01配信

CREA WEB

 鎌倉においしいパン屋が集うのは何でだろう――。鎌倉ならではの時間の流れと風土が、作り手が自由にパンを“創作”するのにぴったりだから? 地元の人や観光客など、客層が多様ゆえにパンにもオリジナリティが生まれるから? と同時にベーシックなパンも愛されているから? 

 そんな、個性あふれる“鎌倉パン”のラインナップのなかから大人の女性におすすめしたい3つのテーマ、「ワインに合うパン」「ヘルシーパン」「小さな駅の実力派」より、2軒ずつをエントリー。おいしいパンを携えて海を見ながらブランチを楽しんだり、お気に入りを買って家でティータイムのおともにしたり。とっておきのパンをハントしに、鎌倉へでかけませんか。

ワインに合うパンを探して

 パンを選ぶ基軸のひとつが、“ワインに合うかどうか”という人が増えている。ワインフレンドリーなパンを探すならバゲットのおいしいパン屋を巡るのが近道、と絶品バゲットで評判の2軒を訪れたところ、その読みは的中! 

 大町の「mbs46.7」、由比ガ浜の「リュミエール・ドゥ・ベー」より、いまの時期にぴったりのワインに合うパン&サンドを紹介します。昼下がりに海風を感じながらピクニック気分、サンセットを眺めながらアペロなど、味わい方はさまざま! 

■●大町「mbs46.7」
おいしい具材×手ごねパン
滋味豊かな大人のためのサンド

 自家製の天然酵母を使った手ごねパンと本格的な大ぶり具材で作る、オリジナリティが光るサンドイッチで評判のお店がこちら。切り盛りするのは、岸本朗子(きしもと・さえこ)さん。天然酵母のパン教室のスタッフを経て、鎌倉の持つ空気感のなかでパン作りをしたいと2011年にオープン。

「サンドイッチやオープンサンドにしたら、もっとバゲットのおいしさを知ってもらえるのでは?」 そんな思いから、季節を取り入れ、具材にも工夫を凝らしたサンドイッチを出したところ、瞬く間に人気が出て看板メニューに。いまは、リュスティック、チャバッタなど様々なパンを用いて作る、日替わりのオープンサンド、週末限定のサンドイッチが看板メニューに。

 冬限定のもち豚のヒレ肉を使ったバゲットポークに続いて、この春登場したのが、サバサンドと生ハムとカポナータのパニーニ。

「サバの旬は秋。でも、パンに挟むなら脂の少ないこの時期のサバがよく合います。鎌倉らしく、魚の具材のサンドイッチを考えていて、いつか出したいと思っていたのがトルコやドイツなどで親しまれているサバサンド。そんなとき材木座にある魚屋さんからサンド向きのサバをおろしてもらって、野菜は地元の市場から仕入れて、鎌倉らしいサバサンドができあがりました」と、岸本さん。たっぷりのたまねぎは水にさらさず食感を活かした。色合いを添えるルッコラの苦みと相まってサバを引き立てる。

「チャバッタは表面を焼いて食感のアクセントをプラス。カポナータの酸味と野菜のうまみに、生ハムの塩気がよく合います。白ワインのほかロゼワインとも好相性ですよ」

 まるで、ビストロのメニューを挟んだような創作サンドイッチはワイン好きにも支持され、最近ではそれ絡みの取材も増えているそう。岸本さんも「次の具材を考えるとき、ついついワインに合うかどうかを基準にしてしまう」のだとか。

 どちらも大ぶりな具材を、風味豊かなパンがしっかりと受けて立つおいしい一体感で、きりりと冷えた白ワインとベストマッチ。グルメな大人も納得の本格サンドイッチを召し上がれ。

 さらに、ワインに合う“おつまみパン”がこちらの4種。その真骨頂はやはりバゲット。試行錯誤を重ねて誕生させた岸本さんの自信作だ。牛乳とヨーグルトの2種類の天然酵母を使い、香りと酸味の絶妙なバランスを実現。滋味深い風味と味の濃さもお気に入りだとか。

 そのバゲットにアンチョビ、柑橘とブルーチーズを練り込んだものなど、どれも見ているだけでお酒が進みそう。具材やトッピングによって酵母を変えているのも魅力的。

mbs46.7
(エムビーエス ヨンジュウロクテンナナ)
所在地 神奈川県鎌倉市大町1-1-13
電話番号 0467-81-5541
営業時間 11:00~18:00
定休日 月曜(祝日営業)、火曜不定休
http://www.mbst.co.jp/467/

■●由比ガ浜「リュミエール・ドゥ・ベー」
地元のレストランも称賛! 
玄麦から製粉した風味豊かなパン

 CREA WEBの鎌倉特集で紹介した、「オルトレヴィーノ」「ビーノ」ほか、人気のレストランで使われているのが、こちらのパン。自家製の天然酵母100%、玄麦から毎日製粉して作られる風味豊かなパンは食のプロもうなる本格派。昨年、七里ヶ浜より移転して装い新たにオープンした。

 パンを焼くのは無量井健太郎(むりょうい・けんたろう)さん。由比ガ浜に移ってからは、ファミリーや観光客まで客層の幅が広がったことに伴い、素材に向き合う姿勢はそのままに、メニューのラインナップをアレンジ。上述のレストランで食べたパンが気になって訪れる人もいるとか。早速、ワインに合うパンをきいてみた。

「定番でいうとフィグ(いちじく)をまず試して欲しいですね。甘みが強くて、実が柔らかくねっとりしたトルコ産の白いちじくをふんだんに入れています。さらに、赤ワインにつけたクルミ、シナモン、ナツメグ、クローブといったスパイスを加えることで重層的な味わいを楽しめます」

 自身も子どもがいる無量井さんは親子で楽しめるパンとしてポム(りんご)をすすめてくれた。

「フレッシュなりんごは、軽くあぶることで風味を引き出しました。甘すぎない、爽やかなフルーツ感は白ワインと好相性。一方、子どものおやつにも最適で、親子で一緒に味わえるパンですよ」

 さらに、ワインに合わせるなら、お店の“大黒柱”であるバゲットも欠かせない。

 フランス産のオーガニック小麦をメインに、北海道産や湘南産の有機国産小麦を玄麦の状態から仕入れて、毎日製粉する。製粉したての粉で作るバゲットは、もっちりとした食感と豊かな風味、そこにクリアな酸味がアクセントを添え、そのままでも十分ワインのおともになる。口に運ぶと広がる、気高くすらある小麦の香りは格別で、3回は深呼吸ならぬ“パン呼吸”をしたくなる夢心地な香ばしさ。

「天然酵母100%でありながら、柔らかくておいしいパンを作りたい。鎌倉に店を構えたからこそ、そのチャレンジができていると思います。自家製の天然酵母を使い、毎日製粉した粉でパンを作るのにはそれなりの時間とコストが必要です。じっくりパンと向き合える環境、そしてそれを求める人々がいるのがここ鎌倉の最大の魅力。パン屋以外にも、オーガニックにこだわったお店やナチュラルなライフスタイルを実践する人が、地元の方はもちろん観光客に増えているのもうれしいですね」

Lumière du b
(リュミエール ドゥ べー)
所在地 神奈川県鎌倉市長谷2-7-11
電話番号 0467-81-3672
営業時間 11:00~18:00
定休日 第2・4火曜
https://www.facebook.com/Lumiere.du.b/

吉村セイラ

最終更新:4/16(日) 12:01
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