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唯一無二の「クリエイター・エージェンシー」として事業を拡大 ドキュメンタリー番組も、事業も、必要なのは「勇気・希望・愛・感動」:クリーク・アンド・リバー社 代表取締役社長井川 幸広さん(後編)

4/17(月) 7:30配信

日本の人事部

映像、ゲーム、インターネット、広告・出版などのクリエイティブ領域で活躍するクリエイターとクライアント企業をつなぐ、世界的にも珍しい「クリエイター・エージェンシー」として業界に確固たる地位を築いている、株式会社クリーク・アンド・リバー社。現在では、その事業領域を医療、法律、会計、建築、ファッション、研究、食などにも拡大し、17万人を超える「プロフェッショナル」をパートナーとするユニークな存在へと進化を続けています。クリーク・アンド・リバー社を創業したのが、代表取締役社長を務める井川幸広さん。もともとテレビのドキュメンタリー番組などのフリーランスディレクターとして活躍していましたが、ある時、「クリエイターがその能力をもっと発揮するには、ビジネス的な支援が不可欠だ」と考え、自らは裏方に回ることを決意。同社を立ち上げたと言います。かつてなかった新ビジネスが生み出された背景、2016年に東証一部上場を実現した成長の秘密、さらには現在注力している新分野や今後のビジョンなどについて、井川社長の熱い思いを語っていただきました。

(前編より続く)

人材からプロデュース、ライツマネジメントへと広がる事業領域

―― 事業の広がりという意味では、井川社長は常に「海外」を意識されているように思います。

ディレクター時代から撮影で海外に行くことが多かったこともあって、もともと国内・国外を区別する意識は、ありません。われわれの仕事は、クリエイターの能力や生涯価値をどこまで引き上げていくか、ということ。そのためにはマーケットの大きい海外も当然、視野に入れることになります。

日本のクリエイターの能力は、世界でも十分通用します。それは私自身が海外のテレビ局などと一緒に仕事をして、肌で感じたことです。ただ、これまでは環境面や言葉の問題、それと世界に出ていくという発想そのものがなかった。つまり、インフラさえ整えば、活躍の場は大きく広がると考えています。これは映像やゲームなどのクリエイターだけでなく、弁護士や建築家など、あらゆるプロフェッショナルの分野で言えることだと思いますね。

実は私たちが建築分野を手がけるようになった最初のきっかけも、2010年頃の台湾からの問い合わせでした。台北から車で50分ほどのところに、九ふんという地区があるのですが、そこで山をいくつも持っているディベロッパーから、「1960年代の日本を模したレトロ調のリゾートをつくりたい」という相談を受けました。その時はまだ建築に詳しくありませんでしたが、テレビ番組のプロデュースと同じ感覚で、レトロ調の建築設計ができる人、人の流れを考えて商業施設をつくれる人、マーチャンダイジングができる人など、スタッフを7~8人集めて、企画書を書いてプレゼンテーションしました。すると、「こういう企画ができる会社は台湾にはない」ととても高い評価をもいただきました。この時、日本の建築士は世界でもトップクラスの素晴らしい能力を持っていることを知るとともに、そういう人たちが海外でもっと活躍できる環境を整えれば、国内よりさらに高い評価をもらえるかもしれない、と気づきました。

―― 現在はクリエイターだけにとどまらず、幅広くプロフェッショナル全般を支援されていますが、その中でも特に注目されている分野は何でしょうか。

一つは大学の先生たちが持っている「知的財産」ですね。日本ではまだこの知財がお金になっているケースが非常に少ない。具体的にはロボット、AI、バイオ、エネルギー、センサー技術、制御技術などの最先端テクノロジー。これらはまさに、眠れる宝の山だと言えます。しかし、日本の企業はそういう素晴らしいものがすぐ近くにあるにもかかわらず、放置していることがまだまだ多いと感じます。

たとえば光ファイバー。基礎技術を開発したのは、のちに東北大学の総長までつとめられた西澤潤一氏でしたが、独創的過ぎて日本国内で理解されず、結果的にアメリカのベル研究所が出資して自社のものにしてしまった。本当にもったいないですし、ここをちゃんとしていかなければ、大学の研究体制そのものも揺らいできます。

そこで私たちは研究者を支援して、企業から実験費用を引き出したり、商品化を進めたりするサポート、プロデュースを手がけていきたいと考えています。この場合、対象になるのは大手企業よりも、むしろ研究開発予算が限られる中堅・中小企業でしょうね。そういう企業の製品と大学の知見をうまく融合することで、まったく新しい製品が生まれる可能性があります。もちろん、情報自体はインターネットなどを通じて誰でも収集できる時代ですが、収集しただけではお金にはなりません。そこから何段階かのアクションを起こして、「まとめる作業」が不可欠。そこが当社の腕の見せ所です。また、「一対一」の交渉では、うまくいかなかったらそれで終わりですが、私たちが間に入ることで「一対多」の関係をつくることができます。知財を持つ先生方にとっては、資産化できる確率の高いスキームのほうがいいわけです。もちろん、結びつける先は国内だけでなく、海外もあるでしょう。こうした「ライツマネジメント」のポテンシャルは、今後さらに拡大していくことは間違いないと思っています。

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最終更新:4/17(月) 7:30
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