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口数は少なくとも――。鹿島・遠藤康から同郷の仙台・佐々木匠へと贈られた「仕掛けろ」の重み

4/17(月) 6:30配信

SOCCER DIGEST Web

「(佐々木は)仙台出身だったんで、「頑張れよ」と」(遠藤)

[J1リーグ7節]仙台 1-4 鹿島/4月16日(日)/ユアスタ
 
 前半のシュート数は鹿島が9本、仙台が2本。しかし、その数字以上にリーグ王者が圧倒していた。25分に西大伍がハーフライン付近からドリブルしてゴールを陥れれば、32分には金崎夢生がPKを冷静に決め、43分には遠藤康が土居聖真とのパス交換からゴールネットを揺らした。
 
 前半だけで3-0。アウェーチームがほぼ完璧にゲームをコントロールしたため、ホームチームからすれば、為す術なしといった内容だったろう。
 
 そんななか、「自分のゴールがチームの勝利につながったのが嬉しかった」と語ったのは宮城県出身の遠藤だ。地元凱旋――。自ら華を添えてみせた背番号25は、前半終了のホイッスルが鳴ってロッカーに引き上げる際、仙台の佐々木匠に声を掛けたという。
 
「自分から話し掛けました。(佐々木は)仙台出身だったんで、『頑張れよ』と。やっぱり地元の選手には活躍してほしいですからね。佐々木への評価? それは僕のすることじゃない。コメントを控えさせてもらいます」
 
 では、同郷の先輩から声を掛けられた佐々木はどう受け止めたのだろうか。2シャドーの一角に入り、記録したシュートは2本(前半に1本、後半に1本)。9.376キロを走り、22回ものスプリントを繰り返し、71分にピッチから退いた。
 
「遠藤選手からは『若い選手がもっともっと仕掛けないと』と……。嬉しかったですね。(ゴールもプレーぶりも)さすがは遠藤選手だと思ったし、見習わないといけない」
 
 12日のルヴァンカップ・磐田戦でプロ入り後初ゴールを決め、この試合がリーグ戦初先発。局面局面で“仙台の至宝”たる所以を示せてはいた。しかし、鹿島戦については「シュートする前にイメージが浮かばなかった。しっかりと判断をしないといけない」と反省が口をつく。
 
 話した時間は一瞬かもしれない。口数は少なかったかもしれない。鹿島の右サイドハーフとして輝きを放った先輩は、これから光の差す道を歩くであろう仙台の攻撃的MFにわざわざアドバイスを送った。
 
 仙台の未来を担う後輩は、随所に巧みなボール扱いを披露してゴールという結果も残した鹿島の先輩の言葉を反芻して、前進するための糧に、血肉に変える。
 
 お手本はチーム内だけではない。纏うユニホームの色も、誇りに想うエンブレムも違う。それでもピッチ内には確かに、見えない糸で結ばれているような先輩・後輩の絆があった。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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最終更新:4/18(火) 1:56
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