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ゴールドクレスト社長が語る、消費不振時代のマンションビジネス

ダイヤモンド・オンライン 4/17(月) 6:00配信

 自社で大量のマンション用地を抱え、完成後の物件もなかなか値下げをしない、強気の姿勢で知られるマンションデベロッパーのゴールドクレスト。創業者で社長の安川秀俊氏(55歳)は、不動産業界では「天才肌」「用地の目利き」として知られる半面、公の場に出る機会は少ないが、今回、週刊ダイヤモンド4月15日号の第2特集「乱戦!独立系マンションデベ」の単独取材に応じた。その詳細をダイヤモンド・オンラインでお届けする。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

● リーマン後は着工せず

 ――今期の2017年3月期決算は、連結営業利益380億円、営業利益94億円で、対前期比で増収増益の見通しです。

 増収増益というより、数年前までしばらく売り上げが下がっていたんですね。

 08年にリーマンショック、11年に東日本大震災があり、その後の不動産市況がどうなるのか、さらに底を抜けるのではないか、との懸念もあり、新たな着工をしないで、優良在庫(完成済みマンション)の供給に事業を絞っていました。それで当時は売り上げが下がっていたのです。

 景気が回復してから、優良な用地でのマンション開発、販売を進めたので、ようやく足元で売上高と利益が増加しているということです。

 ――ゴールドクレストの特徴は、不況時に用地を安く仕入れ、保有し、好況になったらマンションを建てて売る手法です。ですがかつては、土地を仕入れたら素早く事業化して資金回収する、いわゆる高回転モデルだったとか。

 それは、1992年に会社を作って間もないころですね。

 ――現在の手法に転換しようと思ったきっかけは何ですか。

 きっかけといいますか…。地価がいちばん安かったのは、2000年から01年ころだったと思います。その当時は、土地はいつでも買えたんです。90年代後半以降、大企業などから優良な土地が大量に市場に放出されたからです。

 その時、いずれ将来は買いにくくなるかもしれないと考えて用地の取得を進めました。当社は幸い、財務面で体力があったので、買えるうちに用地を買っておいて、将来売りやすい時期に供給していけば、(経済環境やマンション市場の)変化に対応していけるだろうと考えたのです。

 ――現在、マンションの人気エリアである東京湾岸の土地を、2000年代前半ごろに積極的に取得していました。当時はマンション市場として懐疑的な見方も強くありましたが、需要は十分にあると見込んでいたのですか。

 マンションは利便性が重要です。湾岸エリアは都心から非常に近いので、当時の低い用地の価格と建設コストなら、事業性は十分にあるとみていました。今ではもう、全然割安な値段で買えませんけどね。用地の情報自体も非常に少ないですし、価格も高くなっています。

● 「ここ1、2年で用地は仕込めていない」

 ――08年のリーマンショック後は、積極的に用地を取得したのですか。

 そんなにやらなかったですね。今から思えば、やっておけばよかったのかもしれませんね(笑)。

 経済状況がその後どのようになっていくのか、見えなかったからです。海外の経済はダメージを受けるだろうと思っていましたが、日本経済があそこまでやられるとは思っていませんでした。

 ――今後のマンション供給の計画はいかがですか?

 川崎市で1~3棟目を販売中の「クレストプライムレジデンス」は今後、販売に7~8年かかるでしょう。(すでに仕入れた用地で)さらにその後に販売を始める案件もあります。

 それまでの間、用地を全く買えないということはないと思いますので、いい用地があれば買っていきたいですね。

 ただ、この1、2年、用地はほとんど仕込めていません。入札でなんとかがんばっても2番手、ひどい時には5、6番手というケースもあります。積極的に用地を取得していた2000年ごろは、買いにくい時期がこんなに長く続くとは思っていませんでした。

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最終更新:4/17(月) 6:00

ダイヤモンド・オンライン

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