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株価下落の「真犯人」は地政学リスクではない! 

4/17(月) 19:26配信

会社四季報オンライン

 地政学リスクが取りざたされ、大騒ぎになっている。しかし、前回の連載で指摘したように、実際は「地政学リスク」で株価が動いているのではないと考えている。

 確かに円高に振れたように見えるが、先週末に米国の経済指標が芳しくなかったことや、トルコの独裁が強まるという懸念からの円高だと考えられる。結局、株式の「需給」ということであるが、日米など各国の金利政策は特に注目しておく必要があるだろう。

■ 金利が株式需給に影響大

 ここ何年かの大きな流れの変化を見ていると、米国でのデフレ懸念、そしてQE(量的緩和策)、金融緩和から通常モードへの移行の動きなどが、株式市場には大きく影響している。もちろん、金融政策だけでなく、社会政策などの影響もあるのだが、「大きな流れ」という意味では金利が株式の需給に影響し、指数が影響されているということは否めない。

 足元では金融政策というよりは「地政学リスク」が大きく取りざたされているが、これまでの「ギリシャ問題」やスコットランド独立の是非を問う国民投票、英国の国民投票、そして米国大統領選挙なども、特に大きな変化に結び付いたわけではない。

 米大統領選挙は大きく変わったということが言われるが、実際には昨年12月利上げに絡む債券から株式へのシフトが相場の大きな上昇要因であり、「選挙」そのものではないと考えている。

 今回の下落も「地政学リスク」と言われているが、実際に何が変わったわけでもなく、当の紛争当事国よりも日本株が下落していることの説明がつかない。先週の下落のなかでも特に影響があったのが、トランプ大統領の「ドル安が好ましい」「低金利が好ましい」という発言であり、「地政学」というよりは金利や為替の問題ということだろう。

 そうして考えると、北朝鮮のミサイル発射失敗で地政学リスクが緩和され、トランプ大統領の言動にかかわらず金融政策がFRB(連邦準備制度理事会)の専管事項だということが再認識されれば、ある程度株価も為替も適正なところまで修正されると思う。さらに、今回の下落の要因の一つは3月末の配当などに絡む持ち高調整の売りもあったと考えられ、ここからは素直に決算動向などに反応することになるだろう。為替の影響がないところでも、好調な決算ということが確認されれば、買い直しや買い戻しを急ぐようなこともあるはずだ。

 地政学リスクをあおる向きは、フランスの大統領選挙などを問題視するだろう。しかし、英国の国民投票の時を思い出してみても、たとえEU(欧州連合)離脱派が大統領になったとしても、すぐにEUを離脱するということでもないし、経済的な、おカネの流れという意味では何も変わらない。英国のEU離脱の混乱が瞬間的であったことを考えれば、特に問題視することもないだろう。

 それよりも目先では米国企業の決算が発表されるところで、好調な決算が続くようであれば、早期利上げ=ドル高容認という流れもあるのではないか。芳しくない決算があれば利上げに慎重な見方になるのだろうが、あらためて債券が買われる=金利が低下するというよりは、債券が売られないという落ち着いた方向になると思う。

 一方で、日本市場で好調な決算が発表されても、すぐに金融緩和の出口の話が出てくるということではない。日米の金利差の見直しから円安に振れるということになるのではないか。そして、日本企業の好調な決算には素直な反応となり、株式市場も戻りを試す動きになるだろう。

■ 森を見ずに木を見る相場? 

 4月に入ってからの下落相場を考えると、以前に指摘したように3月期末を挟んでの「期末要因」ということが言える。そして、その大きな要因は「インデックス売買」と言われる株価指数を取引するものが多くなっているということにも起因しているのではないか。

 急落過程でも「日経レバレッジ」と言われるETF(上場投資信託)などが「投機商品」として目先筋を中心に盛んに売買されることが多い。上昇するにしても下落するにしても、上昇や下落のきっかけとなった事象と懸け離れて指数の動きを大きくしている。

 したがって、日経平均の動きを想定しておく時には上にも下にも行き過ぎるということを頭に入れておいたほうがよい。そしてその行き過ぎるところであたふたとしてしまうことが多い。自分があたふたとしたところが行き過ぎと考えておけばいい。

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