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円熟味を増す、Googleの「パブリッシャー掌握術」を検証:友を装う敵からリアルフレンドへ

4/18(火) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

去る2月、Facebookは多数のメディア企業幹部を自社のオフィスに招き、自社のコンテンツと製品の計画を説明した。その前にも、同社は100社を超えるパブリッシャーと円卓会議を開催。元テレビキャスターで、現在はFacebookのニュースパートナーシップ担当のディレクターを務めるキャンベル・ブラウン氏も、マンハッタンにある自宅にニュース界やジャーナリズム界の有力者たちを招き、もてなしている。

だが、ニュース業界のベテランたちは、こうした待遇をすでに経験していた。彼らに言わせれば、Googleが長年に渡って実施してきた戦略を、Facebookはマネしているだけなのだ。Googleはかなり前から、広告のマネタイズや検索結果に関して、常に満足できるものではなかったとしても、パブリッシャーとの協力を図ってきた。そうした取り組みはこの数年間でさらに進化し、いまではニュースプロジェクトに資金を提供したり、業界のカンファレンスやイベントをサポートしたりしている。招待制の年次会議「ニューズガイスト(Newsgeist)」もその対象だ。

もちろん、これを利他的行動だと勘違いしている人はいない。Googleはビジネスをしているのだ。だが、こうした取り組みのおかげで、Googleはパブリッシャーに対し、Facebookなどほかの大手プラットフォームよりも有利な立場を獲得している。プラットフォームに対する恐れや憎しみが話題になるとき、GoogleよりFacebookが対象になることの方が多いだろう。

互いを補完するモデル

両社のこうした違いの多くは、ある単純な事実によって生まれている。それは、GoogleのビジネスモデルがFacebookと異なるという事実だ。Googleのビジネスは検索広告が中心。そのため、ユーザーはGoogleのサービスから別のサービスへ移ることになる。対照的に、Facebookが運営しているのは、閉鎖的なネットワークだ。したがって、広告を見てもらうために、ユーザーを自社のサイトやアプリに囲い込む必要がある。

そのうえ、GoogleはFacebookよりはるかに成熟している。GoogleがDoubleClickを買収したのは10年前のこと。そして、Googleがダブルクリック(DoubleClick)とともに手に入れた広告製品「DART for Publishers」(以下、DFP)は、ほんとんどのパブリッシャーが広告の管理に使用する重要なインフラだ。

「GoogleにはDFPがあり、パブリッシャーがもつインベントリー(在庫)をすべて利用できることを理解していた」と、USAトゥデイネットワーク(USA Today Network)のデジタル売上担当シニアバイスプレジデント、マイケル・カンツ氏はいう。

「Googleは最初からパブリッシャーと利益を分け合っていた。それが親切心からの行為だったとは思っていない。だが彼らは、パブリッシャーと協調することにもともと関心をもっていた。Snapchat(スナップチャット)やTwitterといった企業では、その方針が大きく異なる。新製品をリリースし、人々を自社のサイトに囲い込むのが彼らの方向性だ。そんな彼らにとって、コンテンツが不可欠な要素であればいいのだが、パブリッシャーが十分な利益を得られるような形でパブリッシャーと提携することに彼らが関心をもっているかといえば、その確かな証拠を私は見たことがない」。

Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントで、モバイルWeb高速化プロジェクト「AMP(Accelerated Mobile Page)」を率いるデイビッド・ベスブリス氏によれば、Googleの関心はパブリッシャーと「大いに協調する」ことにあるという。Googleは、自社の検索エンジンに人々が何度もやって来るようにするため、パブリッシャーのコンテンツを必要としている。それに、パブリッシャーのインベントリーは、Googleのディスプレイ広告事業の原動力だ。

また、Googleとパブリッシャーはどちらも、FacebookやSnapchatのウォールド・ガーデン(壁に囲まれた庭)に対抗するためオープンなWebを守りたいと考えている。「我々がお金を稼ぐのは、我々のパートナーがお金を稼いだときだ。パブリッシャーがビジネスから撤退したためにコンテンツがなくなってしまうことは、我々にとってよくない状況なのだ」とベスブリス氏は語る。

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最終更新:4/19(水) 15:52
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