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幻のジャングル犬の親子を撮影、おそらく初、アマゾン

ナショナル ジオグラフィック日本版 4/18(火) 7:31配信

「この狭い範囲で、これほどジャガーが見られるとは」

 アマゾンカムにはもう1つ大きな目標がある。一帯にいるジャガーの個体数を調べることだ。

 威厳があり、人目を巧みに避けるジャガーは、生態系と神話の両方に我が物顔で君臨している。だが、熱帯雨林をひっそりと歩き回っている頭数も、1頭当たりの縄張りの広さも分かっていない。

「ジャガーは研究が最も難しい動物の一つです。この地域の顔といえる種に数えられながら、研究が進んでいないのは残念です」と話すのは、マーク・ボウラー氏だ。米サンディエゴ動物園などを運営するサンディエゴ・ズー・グローバルの保全生物学者で、アマゾンカムを統括している。

「発信器付きの首輪を使ったペルーにおける調査からは」と彼は説明した。「これまでの推測と違い、ジャガーの縄張りにはっきりした境界がないことが既に示唆されています」

「ジャガーの縄張りはとても変則的で、過去に使われた調査エリアの何倍も広いのが普通です。ジャガーの密度や個体数に関して、これまで使われてきたほとんど全てのモデルが通用しないことになってしまいます」

 縄張りの範囲が誤って判断されていれば、ジャガーの密度は実際より高く推定され、保護の取り組みを阻むことにつながる。ジャガーもまた、IUCNのレッドリストでは近危急種なのだ。

「実際にはそんなことはないのに、とても健全で数も多いと思ってしまうこともあるのです」とコウセイロ氏。

 既に「アマゾンカム」は、ジャガーに関して価値の高いデータを提供している。

 2016年の3月から8月にかけて、3頭のジャガー(模様が1頭ごとに違うので区別できる)が、エコツーリズムのロッジ「レフジオ・アマゾナス」に近い約1平方キロの区域を訪れた。レインフォレスト・エクスペディションズが所有する宿泊施設の1つだ。コウセイロ氏は、3頭にルスベル(Luzbel)、トゥンチェ(Tunche)、チュヤチャキ(Chuyachaki)と呼ぶ。後の2つは森の悪魔から取った名前だ。

「この狭い範囲で、これほどジャガーが見られるとは普通思いもしません」とコウセイロ氏。「縄張りはどのくらい重なっているのでしょうか?」

5年後には哺乳類の完全な目録

 アマゾンカムはインターネット環境さえあれば誰でも閲覧でき、写真を分類して種の特定を手伝うことができる。

 これまでに蓄積された写真には、山のような種類の野生動物が写っている。ピューマ、ジャガランディ、オオアリクイ、バク、ハナグマ、ペッカリー。実際、「ビッグ・グリッド」のカメラは一帯の哺乳類をほとんど全て写真に収めている。例外は、群れで移動し、小道を避けているらしいヤブイヌくらいだ。

 5年が経つころまでには「哺乳類の完全な目録ができているでしょう」とコウセイロ氏は話している。

文=Nadia Drake/訳=高野夏美

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最終更新:4/18(火) 9:52

ナショナル ジオグラフィック日本版

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