ここから本文です

【高円宮杯】今季最強はやはりここ? あの大敗から這い上がった前橋育英が強い!

4/18(火) 16:40配信

SOCCER DIGEST Web

新2年生の台頭でさらにバージョンアップ。

「今年は注目をされていると思うので、下手なサッカーはできない。それに僕らは日本一という目標を明確に定めていますから」
 
 前橋育英キャプテンのMF田部井涼(3年)は、こう力強く言い切った。

【選手権PHOTO】輝きを放った1、2年生プレーヤーたち

 
 高円宮杯プリンスリーグ関東の第2節、ホームの前橋育英高崎グラウンドに強豪・桐光学園を迎えたタイガー軍団は、FW飯島陸(3年)とDF渡邊泰基(3年)の攻守の軸を日本高校選抜遠征で欠くなか、3-1の勝利を収めた。
 
 前半からペースを握ったのは前橋育英。開始早々の2分、いきなり田部井涼のFKがバーを叩く。これを号砲に、攻勢を一気に強めていく。31分、素早いパスワークから左サイドを突破したFW五十嵐理人(3年)が強烈なシュートを放つ。これは相手GKのセーブに遭ったが、こぼれ球をFW室井彗佑(2年)が押し込んで、先制点を挙げる。直後に同点に追いつかれるも、ボランチの田部井涼、左利きのCB角田涼太朗(3年)の正確な縦パスと、屈強なFW宮崎鴻(3年)のポストプレーを軸に、前への圧力を強めていく。
 
 65分に室井に代えてFW高橋尚紀(2年)、75分にはMF塩澤隼人(3年)と五十嵐に代えて、MF釣崎椋介(3年)とFW高橋優斗(2年)を投入。山田耕介監督が次々と新戦力を送り出すと、彼らも見事に期待に応えた。
 
 76分、田部井涼の縦パスを宮崎が胸で落とした展開から、最後は高橋尚が抜け出して勝ち越しゴール。さらには高橋優が駄目押しのゴールを決め、勝利を手繰り寄せた。
 
「ふたりがいなくても勝てるチームを作れば、彼らが戻って来たときにもっと勝てるチームになれる。2年生がグッと台頭をしてきたことで、スタメン争いも激しくなった。これもすごくプラスに働いてます」
 
 試合後、田部井涼が語ったように、この試合でゴールを決めたのはすべて2年生だった。

あと一歩まで迫ったから分かる「距離感」。

 昨年のチームは飯島、田部井涼、MF田部井悠(3年)、渡邊、DF松田陸(3年)、角田、DF後藤田亘輝(3年)と7人もの2年生が主軸として活躍し、選手権準優勝に貢献した。それだけに今年のチームは『3年生が中心の経験豊富なチーム』として、早くから注目を集める存在だった。
 
 だが、春先から高校選抜の関係で、飯島、渡邊、松田の3人の不在が続き、プリンスリーグ関東が開幕してからも、前述したように飯島と渡邊がいない状況だった。
 
「3年生だけでなく、面白い2年生もいるので、試していきたい」と山田介監督が語ったように、チャンスを掴んだ2年生が躍動し、チームの底上げに寄与している。
 
 とりわけ激戦区となっているのが前線だ。宮崎と飯島の組み合わせがファーストチョイスだが、室井、高橋優、高橋尚の決定力の高いFWと、長身の榎本樹(2年)も伸び盛りで、誰がピッチに立ってもおかしくはない。
 
「長いシーズンを戦う上で、11人を固定して戦えるとは限らない。疲労や怪我、過信する部分が出てくるかもしれない。だからこそ、激しい競争がないとチームは成長していかない。この時期からそれができているのは大きいと思います」(田部井涼)
 
 準優勝メンバーですら安閑とできない激しいポジション争い。彼らのモチベーションとなり突き動かしているのは、日本一になるという明確な目標だ。昨年、あと一歩まで迫ったからこそ分かる、戴冠までの距離感。上州のタイガー軍団はより強力な組織へと成長を続けながら、その距離を着実に縮めている。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

最終更新:4/18(火) 16:40
SOCCER DIGEST Web