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【試写室】「緊急取調室」三田佳子の一言に背筋が凍る

4/20(木) 6:00配信

ザテレビジョン

この仕事をしていると、朝イチの電話ほど嫌なものはない。夜型の生活をしているが故、朝は弱いということもあるが、それを承知しているはず(?)の仕事関係の方々が電話をかけてくるなんて、よっぽどの“緊急事案”だからだ。

【写真を見る】個性豊かなキントリメンバーは健在! 独特の空気は一見の価値ありだ

「記事が間違っているから直してくれ」とか、「取材時間が早まって今すぐ来てくれ」とか、「後輩が廊下の隅っこで座りながら電話しているから何とかしてくれ」(実話)とか…。やっぱりいい話だった試しがない。最初のやつは自業自得でもあるのだが。

それもあって「緊急」というワードが苦手で、メールの件名に「緊急」という文字があるだけで「うっ…」としてしまうのだが、「緊急」から始まるタイトルにもかかわらず、このドラマの主人公だけは、見るだけで“うっとり”してしまう。

またも毎回前置きが長過ぎたが、各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は4月20日(木)夜9時からスタートする、天海祐希主演ドラマ「緊急取調室」(テレビ朝日系)を取り上げる。

本作は、天海扮(ふん)する取調官・有希子が緊急事案対応取調班(通称・キントリ)のメンバーと共に、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げるドラマの連続ドラマ第2シーズン。

第1話では、宅配便の配達車の中から、28歳の配達員・小牧修介(石田卓也)の遺体が見つかる。死因は薬物による中毒死とされるも、遺体には奇妙な点が。どういうわけか小牧は運転席で、必要ないはずの傘を差したまま死んでいた。

そんな中、地味で年老いた天涯孤独の未亡人・白河民子(三田佳子)が自首してくる。ところが困ったことに、民子は数時間とたたないうちに、自首した記憶さえ曖昧な状態に…。しかも畳み掛けるように、事件の謎を深める要素が浮上する。

車内の指紋はいずれも民子と一致しないばかりか、犯行に使われた毒物も彼女の自宅からは発見されなかったのだ。

この事件は重要案件に指定され、有希子ら緊急事案対応取調班(通称・キントリ)のメンバーたちが取り調べを担当することに。だが、民子と向き合った有希子は、思わぬ苦戦を強いられることになる。

何がうそで、何が本当なのか。有希子は一筋縄ではいかない民子にいら立ちを覚えながら、あらゆる手を尽くし、彼女の深層心理と真実へつながる突破口を開こうとする。だが、探れば探るほど、民子の本音は深い霧に包まれる一方で…というストーリーだ。

いきなり老婦人姿の三田佳子のアップ、からの大杉漣、小日向文世、でんでんの“おじさんトリオ”で、あれ?夜にも「シルバータイムドラマ」が始まったのか?(失礼)と思いきや、いやいやゴールデンタイムドラマです。そして登場して早々、天海がそのおじさんトリオたちに「どきな坊やたち」とな。

この感じ、本当に帰ってきたなあという感じがしてうれしかった。もちろん全然“坊や”じゃないのだが、それを受け入れられるくらいの格好良さが彼女にはある。射撃訓練姿もバッチリ決まっている。

帰ってきたといえば、林ゆうきの「とぅるる~るるるるーる~」という独特の音楽が相変わらず格好良く(文字じゃ伝わらないのが残念)、これに加えて田中哲司の「皆さん出番です」の一言で、いざ仕事じゃ!というモードになる。ちなみにこの言葉の後、キントリメンバーが思い思いのファイティングポーズ(目つき)をするのも好き。

今回のメインゲストは、日本が誇る大女優・三田佳子。気合の役作りで“77歳の孤独で地味な老婆”を体現している。

事前の情報として、顔はほぼスッピンで髪形は白髪交じりのボサボサヘアー。色もデザインもすこぶる地味な衣装に包まれた背中には、タオルを仕込んで丸みを持たせ、年齢と孤独感をにじませる老婆の佇まいを追求した、ということで、情報解禁の写真では見えない部分はどんな感じなのだろうと思ったら…これは驚いた。

一瞬誰だか分からなかった、と言ったらちょっと言い過ぎだが、ここまで別人のような姿になれるとは…。特にあるシーンで三田が「ヒ素じゃないわよ」というせりふを発し、意味深な表情を見せるところは背筋が凍った。外は夏日なのに、私の心は冬模様だ。

なぜかは分からないけど、つい某ナンチャラッカーズって名前のチョコ菓子を食べたくなった。

その他、キントリメンバーでは善さん(大杉)の猛獣(有希子)使いっぷりに、春さん(小日向)の博識っぷり、そして菱やん(でんでん)のかわいさ。あのコワモテでハーブチー(ティー)はズルイ。余計にかわいく見えてしまう。キントリ恒例の“脱力系円陣”も見られるので、そこもお見逃しなく。

そしてモツナベこと偉そうだけどかわいげのある監物(鈴木浩介)、爽やかイケメンの好青年・渡辺(速水もこみち)刑事コンビ、刑事部長という要職にありながら、汚い言葉と承知で言わせてもらうと、ひよりっぷりがパナイ磐城(大倉孝二)。こんなふうに、ゲスト以上にレギュラーメンバーが個性豊かなのは、テレ朝刑事ドラマあるあるかも。

さて、そろそろ有希子を演じる天海の話をしようじゃない? 連ドラ第1弾では長髪を20cmカット、スペシャルドラマでは被疑者に髪を切られ、今回は第1弾以上の約25cmもカットして役作りしたという彼女。なぜかこのドラマに関わると髪の毛を切ることになるので、もしかすると次回作があるとしたら天海の髪の伸び具合次第か?

余計なお世話は置いておいて、有希子と民子、いや天海と三田の“魂のぶつかり合い”は、演技だと分かっていても圧倒されてしまう。

この作品では、いい意味で紅一点だけど紅一点らしからぬ立ち居振る舞いをしていつもビシッとキントリメンバーを引っ張る有希子の姿は、リーダーシップを取る立場にいる人はもちろん、将来こういうバリバリの仕事人になりたい女性にも大きな希望を与えそうだ。

むしろこんな人になら取り調べされてみたいし、丸裸にされたいし、何ならもう自ら裸になりたい。そんなことしたら、本当に取調室行きですな。

今回もその「丸裸にしてやる」や「面白くなってきたじゃな~い」というおなじみの決めぜりふは健在だが、それでいていきなりの“難敵”にものすごく苦戦を強いられる有希子。彼女の新鮮な姿に、ついつい応援したくなるのは私だけではないはずだ。たぶんどこかの女子高校生チアリーダーたちも全米で応援していることだろう。

いろいろごっちゃになってしまっているが、緊急コンプレックス、もといキンコンの私でも最後まで楽しく見られたので、このドラマの放送中はいかに大事な電話だろうが、彼女からのラブコールだろうが、彼氏からの居場所確認コールだろうが、とりあえず電話に出るのは禁止の方向で。

まあ、成人たちのアルコールだけは認めよう。

最終更新:4/20(木) 6:00
ザテレビジョン

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