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春の日焼け・発疹、実は難病? うつや腎炎の恐れも

NIKKEI STYLE 4/21(金) 7:47配信

 若い女性に多い難病「全身性エリテマトーデス(SLE)」は春に症状が出て気付く場合が多い。ひどい日焼けや発熱、皮膚の発疹などの初期症状だけでなく、腎障害やうつのような精神疾患まで起こる見分けにくい疾病だ。近年登場した新薬が、皮膚症状の改善や治療の副作用による不妊の回避など患者の悩みを抑えることに役立っている。専門医でなければ診断が難しいのが課題だ。
 都内の大学で働く荒川洋理子さん(37)は、以前から顔が赤くなりやすかった。18歳のときに関節が強く痛むようになり、近くの病院を受診した。症状は特に改善せず数カ月後に別の病院で詳しい検査を受け、SLEと診断された。昨夏、髪が抜けるようになったが新薬「ヒドロキシクロロキン(商品名・プラケニル)」を使うと治まった。
 「日光をたくさん浴びるようになる春頃から発症する人が多い」と日本リウマチ学会理事長の山本一彦・東京大学教授は指摘する。暖かい季節になり、アウトドアや運動会などで肌を出したとき、SLEの患者はひどい日焼けや水ぶくれなどを起こす場合がある。春は皮膚が日光にまだ慣れていないため、夏より弱い紫外線でも発症するわけだ。
 SLEは体を守る免疫が過剰に働いて起こる自己免疫疾患の一つだ。細菌やウイルスなどの外敵を倒す免疫が自分まで攻撃するようになり、全身の臓器で炎症を引き起こす。国内患者は約7万人。女性が約9割で、20~40代に発症することが多いのが特徴だ。

■数カ月続く微熱

 症状は幅広い。目に付くのは皮膚症状だ。代表的なのは日光を浴びた際の発疹や水ぶくれ、顔のほおにできる蝶(ちょう)が羽をひろげたような発疹「蝶形紅斑」だ。「SLE患者では約7割で起こる」という報告もある。
 長期間の発熱もSLE患者によくある初期症状の一つだ。セ氏37度台の微熱が数カ月続く。ときには同38度の高熱になることもあるという。倦怠(けんたい)感や疲労感も伴う。
 臓器にも障害がでる。腎臓の障害は放置すると重篤になり、治療が長期にわたることがある。健康診断の尿検査などで発覚する。皮膚と臓器の重症度は直接関係しておらず、皮膚症状がおさまっても臓器の状態には注意する。
 中枢神経をおかす場合もある。うつや統合失調症に似た症状になることや、認知症のように忘れっぽくなったり、怒りっぽくなったりする場合がある。「性格が変わった」と周囲に言われることがあるほどだ。
 これらの症状は全て起こるわけではない。悪化させないために日光を避けた方がいい。ストレスや過労も大敵だ。
 治療はステロイドの投与が基本だ。体全体の免疫を抑える。副作用で感染症にかかりやすくなるため、症状が落ち着いたら少しずつ量を減らす。さらに症状によって薬を追加する。

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最終更新:4/21(金) 7:47

NIKKEI STYLE

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