ここから本文です

<目撃>古代エジプトのミイラと小像1000点を発掘

4/21(金) 17:13配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

王家の谷」に近い墓の内部を初めて調査

 有名な「王家の谷」の近くにある墓の内部に初めて入ったエジプトの考古学チームが「重大な発見」をした。

【動画】発掘されたミイラと棺、1000体におよぶ小像

 3500年前の墓の中からは、数体のミイラと10基の木製の棺、そして1000点以上におよぶ副葬品の小像が発見された。墓はウセルハトという名前の貴族の裁判官のもので、建立されたのはエジプトの第18王朝時代だと考えられている。

 ハレド・エル=イナニ考古相は『ルクソール・タイムズ』に今回の発見について、当時の状態をそのままとどめた品物が多数発見されたことは重要だと述べ、記者会見では「この墓の存在は以前から知られていましたが、内部が調べられたのは今回が初めてです」と語った。

 発掘チームは、今後数週間で発掘を進めて、さらなる発見をしたいと考えている。

墓の建立年代とミイラの年代に食い違い

 墓はT字型をしていて前庭がある。入り口からは狭くなっていき、石室に続く通路がある。墓の入り口を露出させるのに約450立方メートルのがれきを除去する必要があった。

 発掘の間に、石室につながる竪穴が見つかり、2つの小部屋の存在が明らかになった。1つ目の小部屋にはウシャブティと呼ばれるミイラ型の小像が多数おさめられ、2つ目の小部屋には麻の布に包まれたミイラと棺がおさめられていた。研究チームは第21王朝時代のものと推定している。

 考古相は記者たちに、墓の建立年代とミイラの年代に食い違いがある理由として、盗掘を防ぐために古い時代の墓にミイラを隠したためと考えられると説明した。

 この墓は、古代エジプトの「王家の谷」に近いナイル川西岸のドゥラ・アブル・ナガ墓群にある。古代エジプトの首都ルクソールに近い「王家の谷」には、若きツタンカーメンをはじめエジプトの有名な王たちの墓がある。ナイル川東岸のルクソールは、エジプト第18王朝時代の生活の中心地だった。

 古代エジプトの王族と貴族は、敬意を表するためナイル川の西岸に埋葬された。

 ムバラク元大統領を失脚させた2011年のエジプト革命以来、エジプトの主要な産業である観光業は低迷しているが、エジプト考古省は、今回の発見が観光客を呼び戻すことを期待している。

 現在、2つの隣接した墓の発掘が進められている。

文=Sarah Gibbens/訳=三枝小夜子

記事提供社からのご案内(外部サイト)