ここから本文です

高齢者の運転リスクを見守るオリックスの新サービスの気になる中身

@DIME 4/21(金) 7:20配信

●認知機能低下による事故をどう防ぐ?

 高速道路の逆走や、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故原因の多くが、高齢ドライバーの認知機能低下によるものとの認識が高まっている。そこで2017年3月12日より施行された改正道路交通法では、

(1)臨時認知機能検査・臨時高齢者講習
(2)臨時適性検査制度の見直し
(3)高齢者講習の合理化・高度化

 が新設され、とくに75歳以上のドライバーには免許更新時の認知機能検査を必修とした。さらに「認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為」をした場合も臨時認知機能検査を行うものとし、運転免許証の継続か否かを判断する体制が取られている。

 しかし、これだけで認知機能低下による事故が減るとは思えない。第三者がドライバーの運転技術や認知機能を判断するチャンスが免許更新時か違反をしたときしかないからだ。理想的なのは、家族など身近な人が危険な運転をしていないか見守りをしていくことだが、毎回の運転に付き合うのは難しい。百歩譲って判断できる人がいたとしても、それをいちいち口に出されたら、ドライバーはイライラするはず。

「うるさい! 俺はもう40年も運転してきて無事故なんだ!!」

などとキレてしまうことも察しがつく。ではどうするか?

●カーナビの安全機能もあるけれど…

 手っ取り早いのは、ドライバーの運転技術を客観的に判断するシステムを車に搭載することだ。代表的なのは、最新のカーナビに多く採用されている音声警告で、

「速度超過を検知しました」
「急発進です。安全運転を心がけましょう」
「長時間運転しています。少し休みませんか」

 などがあげられる。しかし、運転に問題があることを報せる対象はドライバー、つまり本人なので素直に聞く気がなければ役立たない。認知機能低下の疑いのあるドライバーには、この手の警告は耳に届かないことも十分に予想される。たとえ届いたとしても、ベテランドライバーが多いため、無視されることも多いはず。

 ちなみに筆者(運転歴30年)も出張でよくレンタカーを利用し、こうした警告システムの付いたクルマに乗る機会が多いのだが「あぁ、うるさい!」とシステムを切ってしまうことが多々ある。周囲に聞いても同様の答がよく返ってくる。

●事故を未然に防ぐ先進技術

 では、事故を未然に防ぐための先進安全自動車(ASV)はどうだろう。道路の白線をウインカーなしでまたいだ時に、ハンドルを振動させて報せるような車線逸脱警報装置や、追突事故の被害を軽減・回避するための衝突被害軽減ブレーキなどを搭載車も増えている。

 これらのシステムは安全運転に役立つことは確かである。未熟な若葉マークドライバーなどには強い味方となるし、高齢者ドライバーにも恩恵はある。

 逆走の起きやすい高速道路の事故を防ぐための技術も、昨年から様々な形で検証が続けられた。とくに注目すべきは、2016年11月から2017年2月まで、各高速道路会社が国土交通省の掲げる「高速道路の逆走事故をゼロにする」目標達成のための逆走対策技術を公募。

 結果は3月23日付けで発表され、3つのテーマに対して合計28の技術が実道での検証を1年ほど行った後、2018年度からの実用化を目指すこととなった。

 ただ、これらは医学でいうところの対処療法的なものであり、高齢者ドライバーとその周囲を広く巻き込んだ予防的措置とは言い難い。やはり、認知機能低下など疑いのあるドライバーには常に周囲が関心を持ち、注意喚起を行い、安全を確保しながら長く運転ができること。本人が納得したうえで免許証の返納などに持っていくのが理想的だろう。
 
●家族で共有する

 そこで注目されているのが、ドライバーの運転を常に見守り、急ブレーキや急発進などの危険挙動があれば指定したメールアドレスに報せる、オリックス自動車の「あんしん運転 Ever Drive」だ。これは同社がすでに法人向けに展開してきたテレマティクスサービスの「e-テレマ」を応用したもので、運転を第三者に可視化することで、事故削減や燃費改善に繋ぎやすくなるというもの。配信は登録したスマホやパソコンにメールで送られる。内容は、

(見守りサービス)
・危険挙動発生メール
・指定場所到着メール
・日次運転情報メール
・現在位置確認

(運転レポート)
・日別運転記録
・月次レポート
・ヒヤリハットマップ
・行先の履歴

などがあり、認知低下が心配される高齢者ドライバーを意識したレポートを、リアルタイムで受け取ることができる。これを総合的に判断することで、身近な家族が「そろそろ運転はやめないとね……」と説得しやすくなる。

 もちろん、このサービスは運転をやめさせるだけでなく、危険を事前に察知し、注意喚起することで長く運転を楽しんでもらう意味もある。つまり高齢者だけでなく、若者から中年にも、ケースバイケースで使い分けることもできるわけだ。

 今後は各技術の融合が進むことが大いに予想されるので、個人レベルでも大いに注目していきたいものである。

(DATA)
あんしん運転Ever Drive
サービス開始:2017年2月より
申し込み方法:専用サイトへ
月額料金:2980円(税別)
初期費用:1万円(税別)*2017年5月末までの申し込みなら無料
問合せ:オリックス自動車■0120-16-1000

取材・文/西内義雄

@DIME編集部

最終更新:4/21(金) 18:10

@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2017年6月号
4月15日発売

定価600円

空前の鉄旅ブームがやってきた!
スマホ「全画面時代」の機種選び!
週末、自宅でできるお小遣い稼ぎ
「機能買い」の腕時計選び!