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病気のほとんどは歩けば治る!? 日本人が知らない「健康の真実」 「歩けなくなる人」その兆候と対策

現代ビジネス 4/21(金) 23:31配信

 二本の足で歩くこと。そんな当たり前のことがある日突然できなくなると、老いは想像を超えたスピードで進む。早い段階でその兆しを見つけて、車椅子生活を避けるためには、どうすればいいのか。

自覚症状がないケースも

 「父は80歳を超えた頃から、ずいぶん歩くのが遅くなりました。一緒に出かけても、歩くペースを合わせていると、こちらがイライラしてくるくらいでした。

 そして昨年、夜中にトイレに起きたとき、階段を踏み外して転倒し、骨折してしまった。大腿部と鼠蹊部の骨折でした。1ヵ月以上も入院し、リハビリを始めたのですが、なかなか自力で立ち上がるようにはなれませんでした。

 もちろん、食事は上げ膳据え膳。ベッドで新聞を読む、なんとなくテレビを見る、眠くもないのにうとうとするといった生活を続けるうちに、なんだか頭の回転も鈍ってきたようで、見舞いに行っても同じ話をくり返すようになりました。

 食欲も進まない、便秘がちになる、夜眠れない、などいろいろな問題が出てきて、退院してからもほとんど寝たきりで、みるみるうちに衰弱してしまった。結局、自宅に戻って2ヵ月のうちに認知症が進み、いまは特別養護老人ホームで暮らしています。もちろん完全な車椅子生活です」

 こう語るのは、都内在住の浦部博樹さん(59歳、仮名)。浦部さんの父に限らず、事故や病気で歩くことができなくなったことが原因で、高齢者が大きく健康を損ねるのはしばしばある話だ。

 著書に『病気の9割は歩くだけで治る! 』があり、在宅訪問などで多くの高齢者を診てきた医師の長尾和宏氏が語る。

 「歩くことは認知機能と直結しています。動くと目からいろいろな情報が入ってきますし、それを処理することで脳を使うのですが、ベッドに寝たままだとそのような刺激がなくなる。

 高齢者が安静にしなければいけないといっても、数週間も寝ていれば、かなりの確率で認知症になります。認知症になれば、ますます外に出なくなり悪循環が生まれる。

 その他にも歩かないことで健康上の不都合が出てきます。たとえば運動しないのでお腹が空かず、胃腸の働きも悪くなる。それがきっかけで便秘にもなります。自力で排便することができないから摘便といって他人の力を借りて便を出すしかないケースもある。便が出ないと腸閉塞になる。つまり、内臓機能が全部、落ちていくのです」

 睡眠にも障害が出る。人間は朝、太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、一日のリズムが作られる。しかしずっと部屋にこもって日の光を十分に浴びなければ、次第に昼夜逆転現象が起きて、不眠症に悩まされることになる。睡眠不足は糖尿病などの生活習慣病だけでなく、認知症やがんのリスクを上げることもわかっている。

 「逆に、歩くことで内臓の機能や認知機能は活発化する。最新の研究では、歩くことで脳の海馬の神経細胞が再生することがわかってきました。

 これまで神経細胞は減ると元に戻らないと考えられてきましたが、歩くだけで神経細胞が増え、認知症がよくなるのです。歩くことで心臓の音もよくなるし、いい便も出る。血の巡りが良くなって肩こりまで改善します」(長尾氏)

 「歩く」という当たり前の営みは、これほどまでに重要なのだ。逆にいえば、「歩けなくなること」が、元気で長生きするためのいちばんの敵だといえる。

 人が歩けなくなるまでの過程はそれぞれだが、きっかけとなる病気や怪我にはいくつかのパターンがある。

 脳卒中を患って下肢が麻痺してしまう。認知症を患って外出を制限されるうちに足腰が弱ってしまう。ふとしたことで転んでしまい、骨折を治療しているあいだに筋肉が落ちてしまった……。

 そのような理由で歩けなくなってしまう兆候はかなり若いうち、50代頃から現れる。早い段階でそのようなリスクを排除することが、「歩けない人」になるリスクを遠ざけることになるのだ。

 たとえば、糖尿病のような生活習慣病はできるだけ早めに対処する必要がある。南越谷健身会クリニックの周東寛院長が語る。

 「糖尿病を患うと血管が太くなり、神経が鈍くなります。活性酸素が体内のコラーゲンに染み込み、コラーゲンが硬化する。そうなると血管や神経が悪くなるのです。そして最終的には骨までもろくなるのです」

 高血圧や高脂質も脳卒中のリスクを上げるので要注意だ。

 このような生活習慣病のほかにも、歩けなくなる兆候はいろいろある。

 「兆候、というと自覚症状だと考えられがちですが、自分では気づいていないが周囲が気づく他覚症状、さらには検査によって初めてわかる兆候もあります。

 たとえば、本人はまっすぐ歩いているつもりでも他人から見ると歩き方がおかしい、話しているときに首が安定しない、手が震える、といった症状がある。そういう人は本人が自覚していなくても筋肉や骨、神経が弱っているのです」(周東氏)

 50代でまだまだ健康だと思っていても、他人から見るとおかしな動作をしている場合があるので、思い当たる節があれば身近な人に聞いてみてもいいだろう。歩き方でいえば、膝が曲がっている、重心移動がスムーズでないためドンドンと足音が大きいというような人は、無駄な負担が骨や筋肉にかかっている可能性があるから要注意だ。

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最終更新:4/22(土) 16:01

現代ビジネス

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