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嵐の前の静けさ!?  発表迫る日米欧の金融政策を大予測

4/21(金) 17:36配信

会社四季報オンライン

 4月26~27日に日銀の金融政策決定会合、27日にECB(欧州中央銀行)理事会、5月2~3日にFOMC(米連邦公開市場委員会)と、日米欧それぞれの金融政策を決める会合が開かれる。今回はいずれも政策の変更はないとみられるが、最近の経済環境を考えると、嵐の前の静けさとも言えなくない。

 先進国の中央銀行はリーマンショック後、デフレ懸念に対処すべく、量的金融緩和やマイナス金利政策など大規模かつ異例な金融緩和を行ってきた。しかし、原油など資源価格が反発。各国景気は緩やかながらも着実に回復し、人手不足が表面化する状況になっている。今や「デフレ懸念」という言葉はほとんど聞かれなくなった。程度の差はあるが、各国中央銀行は行き過ぎた金融政策の正常化に向かい始めよう。

■ 「アクセルを強く踏むほどではない」

 イエレンFRB議長は4月10日の講演で「以前は可能な限りの活力を与えるためにアクセルを踏み込まなければならなかった」が、現在は「アクセルを強く踏むほどではない」と述べた。

 ECBも3月10日の前回会合で、金融緩和策の積極度を示すため、それまで使っていた「利用可能なあらゆる手段を駆使する」という文言を削除した。ドラギ総裁によれば「デフレリスクの緊急性はもはやない」ことが理由だ。

 周回遅れの日銀はインフレ目標が全く達成できていないこともあってなお強力な金融緩和を続けざるをえないが、実際には昨年9月に国債の大規模購入による量的緩和が維持できなくなり、長期金利を操作するだけの手法に切り替えている。

 ただ、米金利上昇局面でも日銀が金利を低位固定させる政策は、米政権からの円安誘導批判を受けることになる。黒田総裁は任期があと1年となり、物価目標が達成できていない責任もあるため、このまま強力な緩和を継続するには出口戦略を明確化する必要があるだろう。

 現時点で金融正常化に向けての意向が強い順に、FOMC、ECB、日銀の動きを個別にみていこう。

 前回3月14~15日のFOMCは事前予想通り、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利を0.25%引き上げ0.75~1.0%とすることを決めた。FOMCメンバーの金利予想によれば今年はあと2回の利上げが実施される可能性が高く、次回6月会合での再利上げの公算が高まっている。FF先物市場の動きから計算できる6月利上げ確率は5割程度だ。

 3月の米雇用統計では雇用者数が意外に伸びず、それだけをみると景気が減速しているようにもみられるが、失業率が4.5%まで低下したことに示されるように、労働需給逼迫で企業は人手不足でもヒトを採用できなくなっている。労働需給逼迫はこの先、賃金や物価の上昇につながっていくとみられるため、当局としては低すぎる金利を早い時期に元に戻しておきたいと考えているようだ(図1参照)。

 今回FOMCでは経済・金利見通しなどは発表されず、イエレン議長の記者会見も予定されていないが、次回6月FOMCでの利上げを示唆するような文言が声明のなかに盛り込まれるかどうかが焦点だ。

 一方、ECBは米国ほど早期引き締めに前向きではない。ユーロ圏の消費者物価は2月に前年比2.0%上昇し、ECBの目標(2%未満でそれに近い数値、具体的には1.7~1.8%程度)を上回った。本来なら引き締めが必要な状態だが、ドラギ総裁は原油高による一時的な物価上昇だと述べており、実際、翌3月の消費者物価は同1.5%に鈍化した。

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