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600万もする高級室内墓 選ぶ層が確実にいる

4/22(土) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 ひとくちにお墓と言っても、その内実はさまざまだ。私たちが当たり前のようにイメージしていた外墓に代わって、今、急速に増えている室内墓。その中には「動くお墓」と「動かないお墓」がある。「動くお墓」は、お参りの場で待っていると墓が移動してきて故人を偲べるもの。今回紹介するのは「動かないお墓」。ノンフィクションライターの井上理津子さんがレポートする。

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 ここ10年ほどの間に、とりわけ東京で急増した「室内」のお墓(納骨堂)の形式は、卑近な言い方をすると「動くお墓」と「動かないお墓」に二分される。前者は参拝ブースに設置した共用の墓石の中に、保管庫から骨壺が自動搬送されてくる形。後者は墓石は用いず、仏壇やロッカーなどに骨壺が保管される形だ。

 私にはお墓とはお寺の境内や霊園の地面に建つものというイメージしかなかったため、取材当初はいずれも斬新に映ったが、もう慣れてきた。

 30余年前、この仕事を始めた頃は原稿は手書きだった。それが、ワープロになり、パソコンになって、もう何年になるのか。「そんなものを使うと、思考の回路が崩れる」といわれたのは、とんと昔のことだ。

 誰もが便利さを認め、わが業界で手書き原稿がほぼ流通しなくなって久しいが、かといって日常の暮らし等のシーンでの手書きはなんら変わらない。ふとそんなことも思いながら、お墓巡りを続ける。

「動かないお墓」の2回目。今回訪ねたのは、驚くべき価格のところだ。

 ブランドショップが並び、おしゃれな人たちが行き交う東京・青山。その一角に佇む4階建ての実相寺は1634年創建の臨済宗のお寺だが、堂内「青山霊廟」に「特別壇」と称する、なんと600万円の仏壇型のお墓があった。

 東京のお墓の最高峰とされる青山霊園の価格(1.6平方メートル437万6000~4平方メートル1094万円=昨年度)と肩を並べる高額ですね…と、開口一番つい言ってしまった。

「お墓は、場所や雰囲気やサービスを考え合わせないと、高いも安いもないと思いますよ」

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