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違いのわかる大人がハマるニューエイジポップユニット Maison book girlとは?

4/23(日) 9:07配信

otoCoto

変拍子を多用した先鋭的な楽曲。その随所にはスティーヴ・ライヒを彷彿とさせるミニマル・ミュージックの意匠が施されている。そこで歌われるのは、カットアップ技法によって作られたかのような難解かつ示唆的な詞。

リリースされた作品には、本来主役であるはずのヴォーカルを欠いたインストゥルメンタルや、歌ではなくポエトリーリーディングを配した楽曲も収録されている。

アートワークにメンバーの姿はなく、仄暗い色彩のイメージが映し出されるのみ。それどころか、その人となりを示す”名刺代り”とも言うべきアーティスト写真でさえ、朧げな幻影が映るのみである。

肝心のメンバーだが、その佇まいはどこか内省的で、ステージでは視線を投げ掛けてあからさまに“釣った”り、沸かせようと煽ったりはせず、コンテンポラリーダンスを想起させるような独特のダンスを黙々と舞いながら歌っている。

念のために言っておくと、これは“アイドル”について書いたものである。
例えば、こうしたコンセプトをアイドルプロジェクトの企画会議で提案でもしようものなら、即座に却下されそうである。いや、たとえアイドルではなくとも訝しい顔をされそうな…。

「現代音楽とポップミュージックとの融合」を標榜する音楽家サクライケンタが手掛けるニューエイジ・ポップ・ユニット、Maison book girl(メゾンブックガール)。

2014年11月に始動し、2015年には@JAM EXPO、夏の魔物といった大規模フェスに出演。同年8月には1stアルバム『bath room』をリリースし、11月にはソールドアウトとなった初ワンマンライヴを開催。2016年10月にはカナダでのイベントツアーを敢行し、11月にはこれまたソールドアウトとなった2ndワンマンライヴを開催して、同月メジャーデビュー。そして、2017年4月いよいよメジャー初のアルバムとなる『image』をリリースし、現在は初の全国ツアー中。といった具合に、すこぶる順調にステップアップしてきた。

いわゆる“アイドル戦国時代”に突入して以来、多くのグループやソロ歌手が“アイドル“という制約の中でしのぎを削っていたが、ここ数年でそうした枠組みからはみ出そうとする動きが見られるようになった。とりわけ音楽的に、だ。

数多のライバルがひしめき合う中、様々な工夫を凝らして個性を打ち出そうとしてきたアイドルたち。「学園」「魔法」「釣り」「お掃除」など多種多様なコンセプトを掲げてきたが、こと音楽に関しては、王道ポップやダンスミュージックからヘヴィメタルに至るまで多彩なサウンドを標榜するものの、やはり“アイドル”という一線は越えることはなかった。だが、やがて積極的にその一線を越えようとする勢力が現れるようになり、最近ではソウル/ファンク、ニューウェイヴ、ラウドロック、はては現代音楽に至るまで、随分とマニアックな方向へと振り切った表現さえも見られるようになった。

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最終更新:4/23(日) 9:07
otoCoto