ここから本文です

五郎丸歩の活躍を難しくした RCトゥーロンの複雑なチーム事情

4/24(月) 11:42配信

webスポルティーバ

五郎丸歩TOP14挑戦を検証する 中編

 五郎丸歩はラグビーフランスリーグTOP14第10節で初出場を果たし、続く第11節のホームゲームでは先発フル出場。自身は手応えを感じ始めていた。

【写真】ラグビー日本代表入りを熱望する「外国人3人衆」

 第12節アウェーのカストル・オランピック戦も先発出場したが、チームは34-17とダブルスコアで黒星。五郎丸は後半開始直後、47分までプレーした。

 出場3試合目で課題も見え始めたこの試合のあと、地元のヴァール・マタン紙のポール・マッサボ記者は次のような分析をしている。

「ポジショニングが今ひとつだね。周りの選手と連動してどこに構えるかがまだ把握できていない。これはコミュニケーション不足も原因。また、アクション時の判断もワンテンポ遅い。そのタイムラグが相手選手を止め切れないなど、致命傷になることがある。相手チームによって、異なるポジショニングや状況判断が求められるから、根気よく経験を積んでいくしかないだろう」

 また、日本代表時代から五郎丸をよく知るマーク・ダルマゾコーチも課題を挙げた。

「今日の出来は先週よりもよかったが、今後は上半身を鍛える必要がある。相手は日本よりも強靭だから、同じ鍛え方では対応できない」

 第13節からはウェールズ代表から戻ったリー・ハーフペニーがフルバックを務めることになったが、彼が代表選手に与えられるリーグ規定の休暇により欠場となった12月23日、第14節のモンペリエ戦、ふたたび五郎丸にチャンスが訪れた。

 しかしこの試合が、デビュー戦から着実に積み上げてきたものを一瞬で崩すことになってしまう。

 先発で出場した五郎丸は、キックミスから失点の原因を招いたほか、別の場面でも判断ミスが目立ち、本人も「失点につながる大きなミスをしてしまった」と悔いる出来で、58分に交代を告げられた。試合も33-29で敗戦。この試合でのパフォーマンスは、まだ未知の存在だった「五郎丸歩」という選手にマイナスの印象を与えてしまった。

 マイク・フォードHCは「モンペリエ戦の出来を払拭するプレーを練習で見せて、私からの評価を挽回してほしい」と激励はしていたが、ちょうどその頃、シーズン序盤はケガがちだった元オーストラリア代表のドリュー・ミッチェルやジェームズ・オコナーらが戦列に復帰してきたことで、ハーフペニーに次ぐ2番手だった五郎丸のヒエラルキーは徐々に下がっていった。

 1月28日、第17節の対ラ・ロシェル戦では、ハーフペニーが不在、ミッチェルとオコナーが負傷欠場という状況で、フォードHCは五郎丸ではなく、通常はフライハーフ(スタンドオフ)のピエール・ベルナールを15番で起用した。

 その理由をフォードHCは「10番にはマット・ギトーを起用したかったし、同時にベルナールのキック力も捨てがたかったので、彼を15番で使うことにした」と説明したが、フランスユース代表のベルナールは前所属クラブのボルドーではフルバックでプレーした経験があるとはいえ、正ポジションではない。これには現地記者たちも揃って異論を唱えた。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか