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商品に対する考えを一新する、聡明なハーバード大学教授の発想

4/24(月) 11:10配信

ライフハッカー[日本版]

Inc.:人がものを買うのは「欲しい、あるいは必要だから」という考えは、部分的にしか正しくない――と言うのは、ベストセラー『イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』の著者で、ハーバード大学教授のクレイトン・クリステンセン氏です。

クリステンセン教授は、先月、Qualtrics社が主催するインサイト・サミットの基調プレゼンテーションで「人が商品を買うのは、その商品に仕事をさせるためである」という自説を説明しました。「私たちの生活では日々、取り組まなければならない仕事が発生します。単純な日課もあれば、大それた問題もあります。なすべき仕事があると、その達成を助ける道具を探さなければならなくなります。人が商品やサービスを買いたくなるメカニズムは、なすべき仕事があるという状況なのです」と教授は述べています。

あなたも私と同じく「それは場合によりけりなのでは」と思ったかもしれませんね。私たち夫婦は、たまたま昨日、中古の芝刈り機を買ったところですが、すべての買い物が、そのようにはっきりした実用目的ではないはずです。ところが、クリステンセン教授の考えは、市場のいかなる商品にも当てはまるというのです。彼は、マクドナルドに依頼された商品調査の話を例に挙げ、こう説明しています。

「マックシェイクを雇う」という発想

「マクドナルドはマックシェイクの売り上げを伸ばそうとしていました」とクリステンセン教授は言います。同社は、販売促進策を考えるにあたり、マックシェイクを改善するためのアドバイスを教授に依頼したのです。彼は「人々がマックシェイクにさせたい仕事は何かないか」と考えました。

教授の率いるチームは、時間をかけて、マクドナルドの注文データを分析したり、自ら店舗に足を運んだりし、マックシェイクを誰がいつ買っているのかを突き止めました。教授によると「マックシェイクの販売の大半は、男性の1人客による早朝のテイクアウトだった」そうです。

チームは、翌朝再びマクドナルドを訪れ、マックシェイクを買った人に、こんなふうに直接質問したそうです。「あなたがここへ何をしに来たかはわかるのですが、どんな仕事をさせるためにマックシェイクを雇ったのですか? 同じ仕事をさせるのに、これまでどんな商品を雇いましたか?」

その結果、どの人も、長く退屈な通勤ドライブの前に立ち寄っていることがわかりました。マックシェイクの仕事は、朝食としての役割のほか、うんざりする通勤時間の暇つぶしでもあったのです。同じ仕事のために、過去にどんな商品を雇ったかという質問には、多様な答えが寄せられたそうです。

「バナナを雇ったことがありますが、バナナは雇うものじゃありませんね! 1分で食べ終わってしまい、7時半にはもうお腹がすくんですよ」

「たまにドーナツを雇うこともありますよ。妻には内緒ですが。でもドーナツは手とハンドルがベタベタになるんです」

「ベーグルを雇ったことがありますが、味気なく、ボソボソしていました」

「一度スニッカーズを雇ったことがありますが、(カロリーや不健康さという意味で)罪悪感が大きすぎたので、以来やっていません」

彼らによると、マックシェイクは、その点、長く退屈なドライブのお伴として最適なのだそうです。「マックシェイクを雇えば、とても粘度が高いのでストローで飲みきるのに20分かかるんです。何が入っているんだか知りませんが、仕事をしてくれることだけは確実です」

クリステンセン教授がこの調査から得た知見は「マクドナルドの競合市場はバーガーキングやウェンディーズをはるかに超える大きさだったということです。ベーグルやドーナツ、バナナ、スニッカーズも競争相手だったのです」

マックシェイクを、そんな早朝のレギュラー顧客にとってより魅力的にするには、飲む時間を長くするために粘度をさらに上げる必要があると、クリステンセン教授は結論づけました。ただし、それは午後には通用しません。「午後は別の顔を持った商品(子どものデザート)です。しかし、朝の時間帯だけマックシェイクを固くすることで、売り上げが劇的に上がりました」

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