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等々力の悲劇でまたドロー。川崎Fの「分けグセ」はいつ治るのか?

4/24(月) 12:23配信

webスポルティーバ

 ドーハの悲劇ならぬ、等々力の悲劇である――。清水エスパルスをホームに迎えた一戦。清水FWチアゴ・アウベスが放った強烈なシュートがGKチョン・ソンリョンの手をすり抜けてゴールに吸い込まれると、バタバタと水色のユニフォームがピッチに倒れ込んでいく。直後にタイムアップの笛が鳴った「正真正銘のラストプレー」で2-2の同点に追いつかれた川崎フロンターレは、またしても勝利を手にすることができなかった。

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 これでリーグ戦は3試合連続引き分け。ACLも含めれば、公式戦4試合連続ドローである。不甲斐ない結末に、記者席の前に座っていた可憐な女子高生さえも、怒りのあまりブーイングを浴びせかけるほどだった。

 J1リーグ第8節を終えて、川崎Fは3勝4分1敗で7位。3年ぶりに参戦したACLでは、なんと4試合を戦ってすべてがドローである。今季の公式戦で敗れたのはJ1第4節のFC東京戦のみながら、12試合で8つの引き分けと、実にもどかしい状況に陥っている。

 昨季までの川崎Fは、その攻撃的なスタイルを踏まえても、むしろ勝ち負けのはっきりしたチームのひとつだった。一昨季はリーグで3番目に少ない6引き分け。昨季も4番目に少ない6引き分け。ところが監督が代わり、スタイルの変化が生じるなかで、負けないけれども勝ち切れない、言い換えればどこか無難なチームに変わってしまった印象は否めない。

 勝ち切れない最大の要因は、やはり得点力の低下に見出せるだろう。FC東京に移籍したFW大久保嘉人の穴はそう簡単に埋まるはずもなく、鳴り物入りで加入したMF家長昭博をはじめ、とりわけ攻撃陣にケガ人が続出していることもその状況に拍車をかける。リーグ戦8試合で11得点は決して少ない数字ではないものの、リーグ最多の68得点を奪った昨季を思えば、やはり物足りないと言わざるを得ない。

 もっとも結果が伴わないチームには、戦術や采配ではどうしようもできない「目に見えない何か」が働くこともある。以前、「なぜ勝てないのでしょうか?」と直球の質問をぶつけられた連敗中の某チームの監督が「そんなのわかるわけない。わかっていたら、とっくにやっているわ!」と激怒する光景を見たことがあるが、勝負事では時に、打つ手打つ手がすべて裏目に出る、いわば「憑かれてしまう」状況に陥ることもある。

 それは「流れ」と言い換えることもできるが、負けグセならぬ、分けグセがついてしまった今の川崎Fからは、最後まで勝てる雰囲気を感じることができなかった。先制されながら、2本の見事なシュートで逆転し、その後も押し込んでいたにもかかわらず、「追いつかれてしまう感」を拭うことはできず、冒頭のシーンへとつながる――。開始早々、清水のFW金子翔太にJ1通算2万ゴールのメモリアル弾を叩き込まれたのも、負のオーラに包まれた今の川崎Fを象徴していたのかもしれない。

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