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「本当のリスク」を見極めるものが、不安定相場を制する! 

4/24(月) 17:21配信

会社四季報オンライン

 依然として地政学リスクなどが取りざたされているが、実際に蓋を開けてみると何ということもなく、株式市場は堅調となっている。今朝は第一報でフランス大統領選挙の第1回目投票の結果が伝えられ、週初から為替は円安に大きく振れた。株式市場も指数先行型ではあるものの買い先行となっている。

 「仏大統領選挙の結果次第ではフランスのEU(欧州連合)離脱となりEU崩壊につながる」というリスクを懸念していた向きも安心したということで、買い戻しを急ぐ動きになっている。

 ただ、こうしたことは市場では常につきものだ。イベントリスクに大騒ぎせず、結局は「お金の流れ」を考えておけばいい。

■ 英国民投票から1年でも大きな変化なし

 例えば仏大統領選挙で離脱派が勝って株式市場が急落したとしても、昨年の英国の国民投票の時のように、「一過性」で終わってしまう可能性が高い。冷静に考えてみると、昨年の英国民投票時から1年近く経つが、結局国民投票の前と経済的にはポンドが安くなった程度で何も変わっていない。本当に英国のEU離脱が世界経済にとって「リスク」であったのかという感じもある。

 前回連載でも述べたが、これまでに大きくお金の流れが変わって株式市場が動いたケースは、米国のQE(量的緩和)などの金融政策、日銀の金融政策決定会合といった金融政策が大きく変化したときだ。ギリシャ問題やキプロスなどの問題では決定的に流れが変わるということもなく、「リスク」はなかったということになる。

 ましてや「地政学リスク」という、漫然としたリスクで相場の流れが大きく変わるということはないはずだ。なぜなら、「株式相場」は実質的には企業の業績や消費動向を反映したもの。極端にいえば、「デフレ」なのか「インフレ」なのかだけが株式相場の大きな方向性を示していると考えて良い。

 まだ決選投票があるので結論を出すのは早いのかもしれないが、結局、大きく取りざたされた仏大統領選挙は「大山鳴動して……」ということになりそうだ。「地政学リスク」も、大騒ぎとなった割には今の段階では特に問題となる事件も起きていない。また、「地政学リスク」が高まると安全資産として円が買われるといっても、日本がそれほど「安全」とは思えない。

 日本円が安全資産として買われるのは、あくまでも「金融」というところでの「安全」だ。お金の流れとして、例えばユーロの価値が下がるかもしれないために日本円を買うという動きだ。逆に言えば、地政学リスクが金融リスクを上回っているのであれば、円が買われるわけがなく、地政学リスクが金融リスクよりも低いから相対的に日本が安全ということになるのだろう。

■ 米国のリスクは利上げの企業業績悪化

 リスクという観点で見ていくと、米国でのリスクは利上げによって企業業績が悪化する、金利上昇で個人消費が落ち込むというリスクだ。一方、日本では金融緩和下においても企業業績が伸びず、企業の設備投資などが落ち込むリスクがある。日本では個人消費の伸びが期待されているわけではなく、インフレも期待されていない。個人消費の伸びや消費者物価指数の伸びが低いということは、今の段階ではリスクということでもないと思う。

 これまでのリスクがリスクでなかったとしたら、本当のリスクというのはこれから何が考えられるだろうか?  毎年5月になると「セルインメイ(5月に株を売れ)」と言われ、2013年のような急落が懸念される。しかし、当時も急落の要因は「米国が金融緩和から方向を変えるかもしれない」という変化に対するリスクであり、日本市場では決算発表が出揃って、期待したよりも株価が上昇しすぎたというリスクが顕在化したということだった。

 今年は株式市場が大きく買われておらず、4月に入ってから調整となっている。少なくとも「買われ過ぎ」のリスクはないと思う。逆に、地政学リスクなどが大きく取りざたされた分、昨年のようにセルインメイというほどの調整はないのではないか。

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