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「大半の人々が広告を嫌っている」:業界に幻滅したあるストラテジストの告白

4/25(火) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

広告業界にインチキがはびこっているのは事実だ。エージェンシーは長年にわたり、自ら口にする知識を理解していることを証明するためだけに存在している人材を多く抱えてきた。

それがとりわけ顕著なのが戦略部門だ。エージェンシーにおけるストラテジストの役割は、長いあいだ不明瞭なままだ。理論上は「モノを売る」というクライアントの長期的目標をクリエイティブに立ち返らせるというのが彼らの役目だろう。しかし、デジタルマーケティングの現状において「戦略」は、往々にして「データにもとづく屁理屈」の婉曲表現になっている。

業界人に匿名で本音を語ってもらう「告白」シリーズ。今回は、砂上の楼閣でしかない自らの役職にうんざりしているという、エージェンシーのストラテジストに話を聞いた。以下は、インタビューを編集、要約したものだ。

――悩みの種は何?

我々全員が認識すべきなのは、大半の人々が広告を嫌っているということ。それなのに、我々が作る広告は役に立っていると自分自身に言い聞かせている節がある。この業界でいい広告を作っているエージェンシーはせいぜい2社程度で、彼らの広告は見ていて楽しい。だが、ほかは皆、そうではない。

――どうしてそうなる?

問題は、クライアントとエージェンシーの関係のなかに、ただの思いつきで口を挟むだけの仕事をする人間が多すぎることだ。私自身も信じ続けるしかない。どんなアイデアにも、たとえそれがすぐに事業利益につながらないとしても、何かしらメリットはあるのだと。我々は、心温まり、人の役に立つストーリーを理路整然と語る一方、それにがんじがらめになって、現実から乖離してしまった。まったく腹立たしい。

――根本的な原因は?

クライアント側もエージェンシー側も、常に自分の存在を正当化しなければならないことだ。我々は最近、企画をひとつボツにしたが、それは誰かが法的問題を指摘したせいだった。その人物は指摘するしかなかった。そうしないと、自分が報酬に値しないということになる。

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