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高機能が売りのランニングシューズは、どのようにつくられているのか

4/25(火) 17:42配信

webスポルティーバ

 日本のランニングブームはとどまるところを知らず、ますます愛好者が増えている。アスリート志向の人だけでなく、健康のために走り始めた人も、距離を延ばし、市民レースに出るうちにだんだん目標が高くなり、シューズに求める機能や期待も高くなっていく。

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 では、ランナーが履くランニングシューズは、いったいどのようにして開発されるのか。米国発祥のメーカーでありながら、日本のスタッフ主導で開発されたランニングシューズ『HANZO』を例にとって、その開発プロセスを追ってみた。

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「日本人の足は”都市伝説的”に『甲高幅広』と言われ続けてきましたが、果たしてそれは本当なのか? まずはその検証から始めました」

 そう話すのは、ニューバランスジャパン商品企画GBUプロダクト部ランニングチームマネージャーの武田信夫氏だ。都市伝説に惑わされず、本当の日本人の足を知るために、米国ボストンにあるニューバランス・スポーツ・リサーチラボのスタッフが精密な測定機材を携えて来日し、数多くの日本人エリートランナーの足型・走り方を徹底的に調べ上げた。

 その結果、欧米人と比べて日本人の足は側幅=ボトムが広いことが判明。”幅広”はある程度正しかったことになる。同時に、欧米人は足の人差し指が長く、中央がシュッと尖っているが、日本人は足の指がどれも短く横並びで、爪先はあまり尖っていない。一方で、日本人が特に甲高ということはなく、踵(かかと)の大きさも欧米人と大差ないこともわかった。

 走り方については、大きなストライドで跳ねるように走る欧米人に対して、日本人は小股でチョコチョコと走るのが特徴だった。そのため、欧米人は踵から着地するが、日本人は中足(足の真ん中あたり)の外側、もっと極端な場合、前足(足の前のほう)で着地する。

 このような日本人の足型・走り方のデータに合わせて、HANZOは従来品より側幅を広くし、踵を4~5ミリ薄くする設計が行なわれた。日本人の走り方では踵が厚いと着地した際に引っかかり、ブレーキがかかったような状態になる。踵部分を薄くすることで、走るときに踵を地面に着けず、中央から前の部分で着地できるようになる。

 また、日本人の”チョコチョコ走り”で着地した状態からの足抜けのよさを出すために、爪先部分の”巻き上げ”も強くした。従来のレーシングシューズと比べ、巻き上げが大きく、地面を蹴った後、次のフォワード・モーションに進みやすいように設計された。

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