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結局、「反知性主義」って何ですか? 森本あんり(神学者、アメリカ学者)×出口治明(ライフネット生命保険会長) (前編)

4/25(火) 12:30配信

Wedge

「大統領選直後の反トランプデモには、パワーがありました」

森本:僕はちょうど、トランプが大統領選で勝った翌日にニューヨークに行ったんです。トランプタワーの向こう側に用事があったので五番街を歩いていたら、もうデモの人でいっぱいでした。日本だったら、プラカードに書かれる文字は印刷された同じようなものですよね。

出口:そういえば、向こうのプラカードは手書きですね?

森本:はい。みんな自分で書いているんです。なんだか読みにくくてわかりにくいんだけど、よく見ると面白いことが書いてあって、日本とは違うなと思いました。

出口:僕の友人も、選挙当日アメリカのオハイオにいました。われわれの知っている人たちが行くのはみんな都市部でヒラリー派なので、結果が出た後はお通夜みたいだったと言っていました。

森本:本当にそうでした。大学関係者の集まりに行ったのですが、みんな真っ青な顔をして「これからどうなるんだろう」という感じでした。ニューヨークはもともとヒラリーのほうが強かったから。

出口:70数パーセントはヒラリーですよね。

森本:もう圧倒的ですからね、反トランプのデモにもパワーがありました。ああいうのを見ると、アメリカ人は「ノー」と言うのが上手だなと思います。

出口:トランプが出てきて以降、しきりに「反知性主義」という言葉が使われるようになりました。森本先生はまさに『反知性主義』というご本を出しておられるわけですが、今日はこのことについて教えていただけますか。

森本:『反知性主義』を書いたのは2年前のことです。新潮社の編集者がやって来て、私が以前に書いた学者向けの本が面白かったので、「一般向けに書き直してほしい」と言われました。忙しいのでとてもそんな時間はないとはじめは断ったんですが、書き始めたら意外に早く書けました。たまたまそれが、日本で反知性主義という言葉とぶつかった。

出口:それが、ものすごく話題になって。

森本:最近増刷した帯には、トランプの写真までついています。最初はなかったものですが。

出口:この帯は注目を集めそうですね。

森本:流行に合わせて売れる本を書こうなんていう気持ちは、全然ありませんでした。そもそも当初はトランプの話もなかったですしね。偶然に重なる偶然で、周りの連中からは「おまえトランプでずいぶん儲けたな」なんて言われて、ちょっと後ろめたいんです(笑)。

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最終更新:4/25(火) 12:30
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