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【オリックス】平野恵一から中島宏之、小谷野栄一に託された「常勝」のバトン

4/26(水) 11:00配信

文春オンライン

平野恵一から託されたバトン

 2015年11月23日。割れんばかりの歓声と拍手に送られながら、小さくも偉大な名選手はグラウンドを後にした。ORIX Buffaloesの黎明期を二塁手として支えたリードオフマン、平野恵一(現・阪神打撃コーチ)である。

 内野・外野を自在にこなすユーティリティプレーヤー、時に繋ぎの2番打者、時に斬り込み隊長とその器用な印象が先行する彼だが、彼の本当の魅力は闘志を前面に打ち出した気迫溢れるプレースタイルにあったと思う。怪我を恐れぬそのプレーはBsのみならず阪神タイガースでも多くのファンを魅了した。また歴代の監督達からの信頼も絶大で、岡田彰布元監督もその著書『頑固力』で彼の重要性を語っている。

 その彼が最後にBs戦士達に託したバトン。これを読んでいるBsファン読者なら「西野真弘選手に託した二塁手のバトン」を想像するのかもしれない。しかし、今回は少し違う。今後数年、BsがAクラスで戦い続ける為に託されたバトン。中島宏之、小谷野栄一両選手に託された「常勝への水先案内人」としてのバトンである。

常勝への水先案内人

 元々どこか大人しい印象の強かったBs選手達。特に印象深い出来事が2014年10月2日の対ソフトバンク戦だろう。首の皮一枚で繋がっていたリーグ優勝への夢が儚くも断たれたその瞬間、泣き崩れるBsの若き司令塔・伊藤光選手の姿があった。我々Bsファンにとっては熱く胸を打たれる光景であったが、そこはやはり勝負の世界。悔し涙はファンに見せるものではなかったのだろう。決してBs選手達が弱々しい訳ではない。優しすぎる訳でもない。ただ悔しさの表し方が、闘志の表現方法が分からなかったのだ。これだけ優勝から遠ざかった若きチームである。当然といえば当然の事である。

 あの日、Bs選手達は届かぬ夢に涙する事しか出来なかった。この敗戦を受けて翌2015年。オリックス球団はその雪辱を果たす為、30億円とも言われた超大型補強に着手する事となる。

 その補強により入団した中島、小谷野両選手。プレーヤーとしての役割もさる事ながら「常勝への水先案内人」としての首脳陣の期待も大きかったと思う。両選手とも複数年契約での入団である事からも、Bsが今後数年Aクラスで戦う事を視野に入れての契約だった事は明白である。前述した平野恵一選手、当時主力であった糸井嘉男選手(現・阪神)、そして中島、小谷野の両選手。彼らにあって当時のBs選手達に無かったもの。それは勝利への執念だった。

 西武ライオンズ、日本ハムファイターズ、阪神タイガース。常に勝利を義務付けられた集団で培った彼らの経験と姿勢をチームに持ち込む事、これがこの大補強の大きな役割であったのではないだろうか。

 チームとしての結果こそ伴わなかったものの、2015年と2016年、怪我を抱えながらも全力で一球と戦う中島選手、小谷野選手の姿は、我々ファンのみならずBs選手達にも勝利への執念を伝えるには十分であった。

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最終更新:4/26(水) 11:00
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