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中年オヤジどもよ、若者に正否を説くな。損得を説け!【前編】

4/26(水) 11:06配信

オトナンサー

 いつの時代でも「若者」と称される集団は不思議な存在です。「最近の若い奴はなっとらん!」と、愁眉(しゅうび)の俎上(そじょう)にのるのは、現代だけではありません。明治時代の新聞にも既にして「昨今の若者は」という“大人の苦言”があります。

 その理由は単純です。自分たちもかつては「若者」であった「大人」たちが経年劣化して、変化する社会に順応する柔軟性を失い、既成の常識(それは自分たちが「若者」であった時代の規範でしかないのですが)にノスタルジーを抱いているだけに過ぎません。ですから、「今の若者は劣っている」といった価値基準は「老いぼれが馬鹿言ってらあ」くらいに聞き流せばよいのです。

 もっとも、60代後半以降のアナログ主流派であれば、今の「若者」は火星人に思えるでしょう。しかし、現在の40~50代は「アナログからデジタルへの移行」を体感してきた世代。ある程度は「デジタル思考」に理解があるはずです。そんな彼らですら、「今の若者は冥王星人みたいだ」と嘆いているように見えます。

 その理由も至って簡単です。物心つく幼児期からデジタルツールに囲まれている「若者」たちと、アナログの残滓(ざんし)を知っている40~50代が「デジタルしかなかった若者」とまったり融和できるはずがありません。同じ国技館が会場でも、相撲とプロレスではルールが基本的に違うようなものです。

詰め込み教育へダッチロールする文科省

 さらに「若者」を不可解な存在にしているのは、デジタル社会だけにとどまりません。1980年代以前の詰め込み教育を是正するという「大うそ」を錦の御旗にして、文部省(現・文部科学省)が行った「ゆとり教育」の弊害は、日本人を100年以上前まで退行させた「国賊政策」であったことは、識者でなくとも日本人全員が了解しているでしょう。そのマズさに気づいた文科省は、再び詰め込み教育へとダッチロールしていますから、日本の教育制度自体が総力を挙げて「不思議ちゃん」を育んでいると言えます。

 そして、バブル期から出口の見えない超長期にわたる不景気時代へと経済環境もドラスティックに変化しています。金銭感覚や政治認識、社会の秩序、さらには共同体の組成要素からコミュニケーションの立ち位置まで、数え上げたらキリがないくらい日本は変わりました。

 最近の雑誌には「高度経済成長期の日本に戻れ」といった特集がよく載りますが(金持ちの老人が読むらしいです)、それを「イタい」と感じませんか。死んだ子の歳を数えるのと等しいくらい、悲しいと思いませんか。

 40~50代が、自分たちの親世代である60代後半以降の価値観に「やれやれ」とため息をつくのと同じで、彼らが「若者」を理解できないのも当たり前なのです。社会はそのようにして「新陳代謝」を繰り返すわけです。

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最終更新:4/26(水) 11:18
オトナンサー

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