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香川がバイエルン打倒の鍵に。守護神離脱の王者にスキあり…ドルトの哲学が試される時

4/26(水) 11:33配信

フットボールチャンネル

 26日にDFBポカール準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦に挑むボルシア・ドルトムント。今季3度目の対戦は、事実上今季最後のタイトル獲得のチャンスとなる。絶対的守護神を失った王者バイエルンをいかに打ち破るか、そして香川真司がピッチ上で果たすべき役割とは。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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●王者バイエルンにスキあり。絶対的守護神離脱の影響は…

 アイデンティティを貫けるか。

 2017年4月26日のDFBポカール準決勝、ボルシア・ドルトムントはアウェイでバイエルン・ミュンヘンと戦う。

 今季3度目となる宿敵との対戦。勝てば5月27日にベルリンで行われる決勝への進出が決まる。トーマス・トゥヘル監督は「(決勝進出は)我々全てにとって大きな夢だ。そのために我々は目の前にある最も大きなハードルを乗り越えなければならない」と意気込んだ。指揮官は「この試合は巨大な相対的意義を持つ。我々は勝つつもりだ。そしてミッションがどれだけ難しいかを知っている」と気を引き締める。

 先週のミッドウィーク。両チームとも、チャンピオンズリーグ(CL)は準々決勝で敗退した。ドルトムントはASモナコに、バイエルンはレアル・マドリーに、それぞれ敵地で敗北。両クラブとも22日のブンデスリーガの試合では、ダメージを引きずっていた。ドルトムントはミスで失点を重ねながらもボルシアMGに勝利し、バイエルンはマインツに先制と勝ち越しを許しつつ、2-2のドローで終えた。

 CL敗退の影響が大きいのは、リーグ5連覇がほぼ決まっている昨季王者の方かもしれない。マドリーの2ndレグで、マヌエル・ノイアーが左足を負傷した。左足の中足骨骨折。今季中の復帰は絶望的である。

 絶対的守護神離脱の影響か、バイエルンはマインツ戦でCBマッツ・フンメルスを中心にビルドアップをする過程で、あまりGKへのバックパスを選択しなかった。

 その試合でノイアーに代わって“門番”を務めたスヴェン・ウルライヒはVfBシュトゥットガルトで220試合に出場しているなど、決して実績がないわけではない。しかし、ビルドアップの力では、やはりノイアーに遠く及ばない。ドルトムントをホームに迎える26日の準決勝でも、バイエルンはGKに頼らないビルドアップに苦慮するのではないか。

●ドルトムント勝利の鍵は“アイデンティティ”を貫くこと

 ドルトムントとすれば、このような王者が負った“CLのダメージ”を突きたいところだ。ピエール=エメリク・オーバメヤンを先鋒として、前線から積極的にプレスを仕掛けていきたい。準決勝ではマインツ戦で温存されたジェローム・ボアテングとハビ・マルティネスが出場可能とのことである。バイエルンのディフェンスラインのビルドアップに関しては、マインツ戦よりも上向くだろう。

 それでもドルトムントに連動したプレスを仕掛けられ、GKに逃げるか逃げないかを選択する際に、DF陣のちょっとした躊躇が思わぬミスを招く可能性はある。ドルトムントとすれば、持ち前の“ゲーゲンプレッシング”で試合のリズムを掴み、ミスを誘発したいところだ。

 また、ドルトムントもボルシアMG戦で、今季3度目のバイエルン戦に向けて主力の温存を図っている。香川真司とユリアン・ヴァイグルに出場機会は訪れなかった。DFBポカールに向けて温存なのかどうか、トゥヘルから「そういう説明はないです」と、試合後に香川は振り返っている。

 しかし香川とヴァイグルの“同時温存”は、CL準々決勝1stレグを控えた今月8日のバイエルン戦でも見られた措置だ。同様に今回の「最も大きなハードル」向けて大事をとったと見て差し支えないだろう。

 よって香川は今季最後の大一番で先発なのではないだろうか。まずはしっかりとした守備から、“8番”として中盤を牽引したいところだ。そして機を見てゴール前に飛び込んでいけば、必然的にチャンスは訪れるだろう。マインツ戦でウルライヒは不安定な姿を示して、バイエルンは試合開始早々に失点した。3分のボージャン・クルキッチの先制弾に至る一連のプレーは、どこか“香川らしさ”に重なる。

 敵の傷に塩を塗る、ではないが、チームも香川も王者に向かって果敢にアイデンティティを貫いていきたいところだ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

フットボールチャンネル編集部

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