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魔力の潜む街・シブヤ。その将来像や現在を知るために『渋谷学』を読む

4/26(水) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 渋谷には魔力がある。子供の頃から埼玉に住む筆者にとっては、時代によっては「何だか怖い街」というイメージがあった一方、大人になり、頻繁に足を運ぶようになってからは「人と文化と思いが入り乱れる最先端の街」という憧れにも似た実感を抱くようになった。

 昨今、渋谷ヒカリエを中心に大規模な再開発が目立つ渋谷だが、その近現代史を一冊にまとめた本が『渋谷学』(石井研士/弘文堂)である。著者は、渋谷区の氷川裏御料地にある國學院大學の研究者だ。喧騒から少し離れた「シブヤ・イースト」から観察する「シブヤ」の景色はたいへん興味深い。

渋谷ヒカリエだけではない東京五輪から先にある“シブヤ”の未来像

 2012年4月26日。近年進む再開発のシンボルとして、渋谷ヒカリエが華々しくオープンした。地上34階、地下4階の大型複合施設には、JR線や東京メトロなど全8路線が行き交う。

 しかし、渋谷はまだ変貌を遂げる。本書によれば、再開発の完了は2027年になるという。東急電鉄の「渋谷駅周辺開発プロジェクト」によれば、その対象は渋谷駅周辺はもちろん、南街区、宮下町周辺、道玄坂一丁目駅前地区、桜丘口地区、南平台と全6エリアにまたがり、加えて本書では「明治通り(国道246号)で分断されていた地域」がデッキでつながると解説されている。

 なかでも目玉となるのはやはり、その象徴である渋谷駅周辺の開発だ。新たに施設が改装されるだけではなく、複数の鉄道にも大幅な改良工事が加えられる予定だという。本書にある、開発のコンセプトは以下のとおりである。

1)世界から常に注目を集め続ける街の実現
2)日本最大級の屋外展望台で来訪者を魅了
3)安全で快適な街をめざして

 大きく東棟、中央棟、西棟に分かれる構想で、もっとも高いのは地上高230メートルにもおよぶ、地上47階、地下7階になる東棟。東京都庁や六本木ヒルズに匹敵する高さで、渋谷のランドマークになることが期待されている。また、屋上には著者が「恐怖に近い感覚を覚える」と評するほどの、駅前広場へせり出す形の展望台も設置。明治通りを挟み、渋谷ヒカリエと向き合うようになる。

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