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ドルト、奇策でバイエルン撃破。香川に出番なしも…「みんなが信じて」掴んだ決勝進出

4/27(木) 12:11配信

フットボールチャンネル

 現地時間26日に行われたDFBポカール準決勝で、ボルシア・ドルトムントはバイエルン・ミュンヘンを打ち破った。香川真司はベンチスタート。トーマス・トゥヘル監督が絶好調の日本人MFを外し、リスクを冒したことが勝利につながった。そして、チームの全員が最後まで決勝進出を信じたからこそ成しえた勝利だった。(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)

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●香川に出番なし。見慣れない布陣が王者を混乱に陥れる

 王者が崩壊した。2017年4月26日のDFBポカール準決勝、ボルシア・ドルトムントは敵地でバイエルン・ミュンヘンと戦った。

 今季も終わりが近い。香川真司が「そこしかモチベーションがなかった」とも言う、決勝進出を賭けた一発勝負。トーマス・トゥヘル監督は[4-4-2]という奇策でバイエルンに挑んだ。また、そのレアな布陣が採用されたため、香川はベンチスタートとなった。

 序盤のドルトムントは、準決勝の舞台を大事にするように、慎重にプレスを仕掛け、じっくりとボールを回した。指揮官は「我々は最初の20分はとても良かった。とても落ち着いてポゼッションしていたね」と振り返る。とりわけ左SHに入ったラファエウ・ゲレイロが光った。早くも4分に、左サイドからグラウンダーのクロスを入れて、オーバメヤンの決定機を演出。

 ドルトムントの見慣れない[4-4-2]に、バイエルンは戸惑うところもあっただろう。19分、ウスマヌ・デンベレが裏に送ったボールを、ハビ・マルティネスが拾ってバックパス。それを高い位置を取っていたゲレイロがすかさず奪って、そのままシュートを打つ。右のポストに当たったボールを、マルコ・ロイスが押し込んだ。マルティネスとGKスヴェン・ウルライヒの連携ミス。ドルトムントのゲーゲンプレッシングが炸裂した。

 もちろん王者もタダでは終わらない。29分、シャビ・アロンソの右CKから、マルティネスが渾身のヘッドを叩きつける。ミスを帳消しにする同点弾。次第にペースはバイエルンに傾いていった。

●トゥヘルの奇策、アンチェロッティの無策。香川は勝利を信じ…

 トゥヘルは「我々は少し自分たちの道を見失った」と振り返る。41分には、リベリーの左からの折り返しを、フンメルスがダイレクトで押し込んで勝ち越しに成功する。バイエルンが示す王のプライド。フンメルスにしても、ここで負けては、昨年ドルトムントを去って移籍して来た意味がないのだ。

 しかし、この日のバイエルンに、個々の選手が持つ意地以上の何かは見当たらなかった。カルロ・アンチェロッティ監督に、トゥヘルの奇襲のようなプランはなかった。チャンピオンズリーグで敗退し、絶対的守護神のマヌエル・ノイアーを欠いても、テコ入れはなかった。

 香川が「モチベーション的な感じは、彼らも疲れているような雰囲気はありました」と感じたように、イタリア人指揮官は、今はモチベーターとしても機能していない。

 対照的にトゥヘルは後半、ゴンサロ・カストロに代えてエリック・ドゥルムを投入。4バックから3バックに変更する。逆転を許してなお、再びバイエルンに反抗を開始した。

 後半に光ったのは、右のインサイドハーフ気味に入ったデンベレ。69分にエリア内で右からクロスをファーに送り、オーバメヤンが頭で合わせて再び同点。さらに74分には、カウンターからロイスが再びエリア内の右のデンベレにパス。デンベレはキックフェイントでアラバを交わすと、左足で鮮やかなシュートを放った。ドルトムントが勝ち越しに成功する。ポカール決勝の進出を決めた。

 出番はなかったものの、香川はこう振り返った。

「みんなが最後まで諦めずに、内容どうこうではなくて、本当に、最後、みんなが気持ちで信じたからこそ生まれたゴールだと思うので、本当に良かったです」

 アンチェロッティの無策を背景に、トゥヘルの奇策が王者を崩壊に追い込んだ、ポカール準決勝だった。

(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)

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