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ほとんど迷信? 性にまつわる江戸の驚くべき治療法

4/28(金) 12:00配信

BEST TIMES

『江戸の性事情』(ベスト新書)が好評を博す、永井義男氏による寄稿。

『譚海』(寛政七年)に、当時の民間療法の数々が記されている。例をあげると、

・竹の筒に煙草のヤニを詰め、そこにナメクジを漬け込む。マムシに噛まれたとき、この液を竹べらで傷口に塗りつければ、たちどころに治る。

・虫歯を治すには、ゴボウの種を煎じ、口のなかにふくむとよい。

 などであり、ほとんど迷信に近い。
 こうした迷信ともいえる民間療法のなかから、性や性器にかかわるものを以下に紹介しよう。

・淋病になって小便が出にくいときは、ボケ(木瓜)のツルを煎じ、そこに白砂糖を入れて飲むとよい。たちどころに小便が出る。

・女の陰部の怪我には、古い雪駄の皮の部分を黒焼きにし、その灰をゴマ油でといて塗るとよい。

・乳首を赤ん坊に歯で噛まれ、痛むときは、ヤマメという魚の黒焼きをつけるとよい。

・乳首や乳房の怪我には、蛇の抜け殻を黒焼きにし、ゴマ油にまぜて塗る。

・便秘のときは、野生の黄菊の花の油を搾り、ひとしずくなめれば、すぐに便が通じる。

・寝小便を治すには、ナメクジを一匹、白砂糖にまぶして呑み込む。

・淋病を治すには、キュウリのツルを煎じ、その湯のなかに砂糖を入れて飲むとよい。

・陰茎が腫れたとき、または睾丸が腫れたときは、芭蕉の葉で包むとよい。葉を取り換えるたびに腫れがひき、三日目には完治する。

・陰嚢がかゆいときは、シキミ(樒)の葉を煎じて、その汁で洗うとよい。ショウブの根をきざんで煎じ、その汁で洗うのもよい。

・女の陰門がかゆいときには、ダイコンの葉の干したものを刻み、塩を加えて煎じ、その汁で洗うとよい。

 などなどである。
 江戸時代の貧しい人々は、病気になっても滅多なことで医者にかかったり、薬を買い求めたりすることはできなかった。まして農村や漁村ともなれば、医者もいないし、薬屋もない。民間療法に頼るしかなかった。

文/永井 義男

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