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「PDCAクルクル教」だから変化に弱い日本企業

4/28(金) 13:21配信

日経BizGate

すべてを計画することは不可能である

 まずは「計画による管理」の有効性をハッキリさせることが肝要です。

 PDCA的な計画による管理は、環境が安定的で変化の少ないビジネスではかなり有効です。たとえば、ある程度確実に需要が見込めるメーカーでは、経営計画や予算計画を立て、それによって従業員の行動を管理することができます。需要に短期的な変動があったとしても、それが循環的に繰り返される性質のものであれば、それを「早めに想定して動く」ことで対応可能です。よく言われる「PDCAを高速回転させる」というのが、これに当たるでしょう。

 しかし、そのような「想定できる変化」ではなく、「想定できない変化」が起こるのであれば少々話がちがいます。そこでは従来の「計画による管理」が有効性を失ってきます。その典型的な例が、ゲームソフトやネット関係のビジネスを展開している会社。これらの会社経営者は「計画など、つくりたくてもつくれない」と、よく口にします。

 生活に必要なモノならともかく、エンタテインメント・ビジネスのサービスは需要がまったく読めません。出しても売れるかどうかわかりません。売れていても、いつ売れなくなるかわかりません。いつどこからライバルが出てくるか、ユーザーに飽きられるか、まったく予測ができないからです。

 このような「先が見えない」ビジネスでは、数カ月先の売上すら読めません。だとすれば計画を立てること自体むずかしく、計画を立てたとしてもそれを何度となく変更しなければなりません。

 「想定できない変化」が起こる環境では、軍事でもビジネスでも、指揮官は同じ結論に至るようです。「すべての未来を計画することは不可能である」。ならば「想定できない変化」にどう対応すればいいかを考える――ここにPDCAを超える新たな経営企画の道筋があります。

田中靖浩著 『米軍式 人を動かすマネジメント』(日本経済新聞出版社)から

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最終更新:4/28(金) 13:21
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