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パルムドールなるか、映画『光』河瀬監督インタビュー

4/28(金) 21:52配信

オルタナ

登場人物の動作や情景を言葉で伝える映画の音声ガイド制作者と弱視の天才カメラマンのつながりを描いた『光』が5月27日に全国公開する。同作品は、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされ、日本唯一のパルムドール候補だ。監督を務めた河瀬直美さんに話を聞いた。(聞き手・オルタナS副編集長=池田 真隆)

――視覚障がい者向けの「音声ガイド」から着想を得たとのことですね。

河瀬:前作の『あん』に対して、音声ガイドを作りたいと制作者の方から連絡をもらいました。18歳のころから映画に携わってきましたが、それまで音声ガイドという存在は知りませんでした。

実際に、制作者の方からいただいた原稿を読んだのですが、監督の私よりもこの映画のことを考えてくれていると思いました。この人に会いたいな、この人が主人公の映画を撮りたいなと思いました。

――映画では音声ガイド制作者と弱視の天才カメラマンとの交流を描いていますが、物語はどのように考えましたか。

河瀬:映画というコミュニケーションツールを使って、音声ガイド制作者と映画を観る人のつながりを描きたいと思っていました。私は脚本を書くとき、最初に最後のシーンから手を付けます。最後のシーンがちゃんとあって、あとはそこまで、旅をしながら、つなげていくイメージです。

――最初に最後のシーンを決めるとのことですが、最後のシーンはどのように考えていますか。

河瀬:このラストで観客は納得するかどうかで決めます。

――それは、監督として納得するかどうかという意味でしょうか。

河瀬:いえ、一人のお客さんとして納得するかどうかです。

――今回の作品で伝えたいことは何でしょうか。

河瀬:人は完璧じゃないからこそ、人と人がつながっていくことの大切さを感じてほしいです。映画では、視覚障がい者と音声ガイド制作者という特殊な仕事をしている人を取り上げていますが、人と人はどうつながるのか、実際に観た人が自分自身に置き換えて観れるような・・。

つながっていくためには、反発や誤解が起きます。映画の中では、音声ガイド制作者役の美佐子が、弱視の天才カメラマンの雅哉に向かって、「想像力がない」と言ってしまいますが、それは相手の立場に寄り添えていない証拠。美佐子は、雅哉が感じている目が見えなくなることへの恐怖をその時点で理解していない。相手の立場に立つことは、とても難しいですけどね。

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最終更新:4/28(金) 21:52
オルタナ

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