ここから本文です

プロ直伝!  「機関投資家に勝つ」バイオ投資の"ワザ"

4/28(金) 16:21配信

会社四季報オンライン

 筆者はアナリストとして、バイオ関連企業(製薬メーカーは除く)を対象に説明会も含めて年間に70件程度を訪問している。かなりの情報を収集しているとはいえ、バイオや医薬品分野に限ると、個人投資家の情報収集、分析能力が機関投資家に劣ると考えるのは早計だと考えている。

 機関投資家は財務面の情報力が高い。ただ、医療情報分野では一部の個人の情報力は侮れない。私自身、一般の個人投資家向けの講演会で何度も厳しい質問攻めにされた経験がある。医師を筆頭に、医療の情報通の富裕層は多い。医師の医療情報は専門的すぎて投資面からはミスリードとなる場合もあるが、実際に医療現場に携わる投資家の意見は貴重だ。

 また、投資のカギを握る臨床関連の情報誌を読み解く力は、経済学部や商学部出身者のマネジャーとは雲泥の差がある。バイオ分野ではノーベル賞級の研究開発が相場のテーマになることも多い。同分野の専門教育を受けていない機関投資家にとって、銘柄選別はハードルが高いといえよう。

■ 裾野の広い機関投資家

 機関投資家はもちろん投資の専門家である。しかし、プロが必ずしも運用上手というわけではない。腕に自信のある読者は、自身のポートフォリオと大手投信会社などのパフォーマンスと比較してみるといい。プロに運用を委託して痛い目にあった投資家も多いはずだ。ヘッジファンドの破綻は相変らず減少せず、毎年多くのファンドマネジャーが首を切られている。

 また、機関投資家といっても裾野は広い。生命保険や投資信託会社などではマネジャーがグループ分けされている。小型株、大型株、グロース(成長)とバリュー(価値)といったグループ別に、多様な尺度で投資を行っている。スタンスがまったく異なるヘッジファンドも多く存在するため、機関投資家の投資行動を画一化して考えることは危険である。

 ファンドには投資対象の制限が多い点も見逃せない。機関投資家の場合は説明責任があるため、赤字や無配企業を避けるとか、社外取締役、コンプライアンス体制の有無などによる細かな制限が、機関投資家の運用の手足を縛っているのだ。

 特にバイオベンチャーは赤字企業が多いため、投資できないケースも多い。これが、ペプチドリーム(4587)やそーせいグループ(4565)といった黒字ベンチャー企業群に機関投資家の資金が集中するという現象を引き起こす。そーせいグループは2016年3月に最終赤字、無配転落となり株価が半値以下になった。これは投資基準の制限に引っかかった機関投資家が一斉に引き上げたためと推測される。

 一方、個人投資家は自由に投資できる。この利点を活用して、今は赤字や無配でも、近い将来に黒字化や配当を実施しそうなバイオベンチャーに先回りして投資するのは有効な手法だ。予想どおり、黒字化すれば機関投資家などが参戦し株価が押し上げられる可能性もある。

 以上を鑑みると、今18年3月期の黒字継続が期待されるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(7774)や、今17年12月期に再度の黒字転換が見込まれるカルナバイオサイエンス(4572)、再生医療分野の提携で黒字化を期待できると思われるサンバイオ(4592)は要注目である。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

四季報オンライン

会社四季報オンラインの前後の記事