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北朝鮮のミサイルで生命や財産が…そのとき「保険」は使えるのか

4/29(土) 6:01配信

オトナンサー

 トランプ米大統領の強権的な手腕によって、にわかに緊張状態が高まっている朝鮮半島。テレビでは連日、有識者たちが、米軍の軍事行動の可能性と北朝鮮による反撃について論じていますが、日本人として最も恐ろしいのは、核を搭載したミサイルで国内の大都市が狙われることです。

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 筆者は軍事の専門家ではありませんが、ミサイル迎撃システムが作動しても、すべてを打ち落とすことは非常に難しく、実際にそのような事態になれば、大きな被害は免れないというのが大方の見方でしょう。

 それでは、もし自分の住む街が北朝鮮のミサイルで攻撃され、家や車などだけでなく、自分の生命まで奪われることになった場合、生命保険や損額保険はどのように機能するのでしょうか。

すべての保険会社にある「戦争免責」

 こうした議論の中で、皆さんが一番気にされるのは「戦争免責」です。すべての保険会社の約款は、保険金を支払わない可能性として、「戦争」を免責項目にしているためです。そのほか、地震や津波、噴火などの自然災害もこれに含まれます。

 これらは、以下のような事態を想定して書かれています。

・大量の死亡者が出る可能性

・予測が困難

・すべての保険金を支払ってしまうと保険会社が存続できない

 しかし、実際に戦争が発生した場合、保険金が支払われないかというと必ずしもそうではありません。あくまで「保険会社が存続できないと判断された場合」に「支払わないこともあり得る」というだけで、「免責=支払わない」というわけではないのです。

東日本大震災では支払いに応じた

 過去の事例では、記憶に新しい東日本大震災が挙げられます。死者1万5894人、行方不明者2562人という甚大な被害をもたらした大震災ですが、生保、損保ともに支払いに応じています。

 実際の支払額は生保1599億、損保1兆2241億円。とりわけ、損保業界の負担は決して軽いものではありませんが、裏返せば、この金額の規模であれば支払いが可能なのです。

 たとえ話ですが、東京や大阪などの都市部に核弾頭が着弾した場合、死者は数十万人に上ることでしょう。さらに、建物が密集している都市部では建造物の被害も相当大きくなることが予測され、生保と損保のいずれも支払い能力の限界を超える可能性があり、こうした緊急時には「免責」が宣言されるかもしれません。

 しかし、実際は「一切払わない」で済まされるわけはなく、政府や保険各社が協議の上、支払える“ギリギリ”の金額を拠出し、それを契約者で「分ける」形になることが想定されます。

 想像したくない事態ですが、現状「100%ない」とは言い切れず、この緊張状態がいち早く解消することを望むばかりです。

株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐

最終更新:4/29(土) 6:53
オトナンサー

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