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【家庭内別居を続ける理由】離婚に応じぬ夫の陰で、妻はなにを計算している?

4/29(土) 21:10配信

ESSE-online

 家庭内別居に悩む主婦が増えているといわれています。夫婦の会話はなく、互いを無視。ふたりの心は離れ、もはや関係修復するのは不可能…。一度は愛を誓い合ったふたりが、なぜこのような事態に陥ってしまったのか? それでも一緒に暮らさざるを得ない理由とは? 現在進行形で悩みを抱える主婦が、当事者にしかわからない事情と胸の内をESSEに語ってくれました。

わが家の一大事で分かった夫の器。今は自立に備えて、耐える日々

語ってくれた主婦:坂井かなえさん(仮名) 長野県・45歳

夫47歳、長男22歳、長女17歳

結婚年数 23年

家庭内別居期間 約半年

 帰宅した夫が「いったいこれはどういうことだ!」と、ものすごい顔で詰め寄ってきました。手には、家賃引き落としができなかったことを伝える金融機関からのハガキ。「こんなことが会社にバレたらどうするつもりだよ?」。

 ふーん、やっぱりそこですか。周りに知られてそんなに困るなら、ちゃんとわが家が家賃を払えるようにあなたが動くべきだったでしょ。そんな言葉をのみ込んで、口にしたのは「私がしばらく働けなかったから」。

 その半年ほど前、私は仕事中に腰を痛めて仕事が続けられなくなってしまい、退職しました。そのため、治してから新しい仕事を見つけるまでの3か月間無収入だったのです。動くこともできず、痛くて寝ていた私に、夫は「仮病だろ」とか「怠けるなよ」とひどい言葉をぶつけました。私の体調を気づかう言葉なんてひと言もありませんでした。

 わが家は、上の子が大学4年生、下の子が高校2年生で、もっか人生でもっとも教育費がかさむ時期にあります。しかも、2人とも県外の学校へ行っているため、生活費の仕送りも必要でした。そうなると、共働きでも月々の収支はカツカツ。これまではボーナスで補填してやりくりしていましたが、運悪く夫の会社の業績低迷で、そのときはボーナスがほとんど出なかったのです。

●家計の状況を考えず、ののしるだけの夫

 こういう家計で、片方の収入が途絶えると即、生活費がショートしますよね。ボーナスを当てにして、当面の治療費、子どもたちへの仕送り、食費、光熱費…たりない分をちょこちょこ引き出していたから、家賃の引き落としができなくなってしまった。それで通知が夫のところへ届いたのです。

 夫には2人の収入がいくらで、子どもにはいくらかかっていて…と説明しましたが、事実を突きつけることが、かえって火に油を注いだのか、「なにやってんだ」と怒鳴りながら、私の顔をお札でひっぱたいたり足蹴にしたり。忘れられないですね、あの日のことは。「わが家の一大事」に、こういう態度をとるのか、この人は。ふん、器の小さい男。心底幻滅したことを今もはっきり覚えています。「おまえになんかまかせておけるか」と、言うので、私は喜んで家計を夫に預けました。自分で思っているほど自分が稼げていないことも、不足するときは私が仕事を増やしてしのぐしかなかったことも、自分でやってみればわかるでしょう。ところが、夫は状況が見えれば見えるほど、厳しさにイラつき、ある日あろうことか、県外の大学に通う長男に電話をかけ「実家にお金を入れろ」と迫ったのです。

 ぷつん、と音を立ててあの瞬間私の中のなにかが切れてしまいました。もうこの人の顔を見るのもいや、同じ生活空間にはいたくない。夫の洋服やらなにやら持ち物を家じゅうから全部かき集め、使っていない子ども部屋に突っ込んでドアをバタン。以来、寝室は別々、食事も一緒にとらず、ほとんど口をきかない家庭内別居を現在も続けています。

●子どもの大学卒業までは自立の準備期間

 そして、これまでケンカするたびに「離婚だ」「出て行け」と騒ぎ立てていた夫に、初めて私から「離婚したい」と言いました。そうしたら夫は、「そんなことしたら、子どもたちの仕送りを止めるぞ」と脅しをかけにきた。なんなの、この情けない男はと、心は離れていくばかりです。

 家庭内別居を始めてまもなく半年になりますが、解消の道は見えていないというか、私がもう無理。かといって当面は離婚をするつもりもありません。これは夫の脅しに屈したわけではなく、下の子が大学卒業するまでの間は、我慢することに決めたのです。もちろん、ただ我慢するのではなく、娘の大学卒業を目指して生きていく。その日までを自立の準備期間として、条件のいい仕事をしてお金を貯めよう。そう腹をくくったら、夫になにを言われても気にならなくなりました。その先に離婚があるかどうかはわかりませんが、今はこの道を進むのみです。

<取材・文/ESSE編集部>

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最終更新:4/29(土) 21:10
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