ここから本文です

春ドラマの半数が事件解決モノ 視聴率上位独占はTV界の危機

4/30(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 今クールのドラマのラインナップには決定的な特徴が見られる。それは“事件解決モノ”の多さだ。しかも、そのほとんどが高い視聴率を記録している。それはテレビ界にとって手放しで喜んでいい状況ではないばかりか、深刻な事態だという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 現在、月曜に『貴族探偵』(フジテレビ系)、火曜に『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)、水曜に『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)、木曜に『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)、『緊急取調室』(テレビ朝日系)、土曜に『4号警備』(NHK)、『犯罪症候群』(フジテレビ系)、日曜に『小さな巨人』(TBS系)、『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』(フジテレビ系)が放送されています。

 これらはすべて事件解決モノであり、20~23時台に放送されている春ドラマ全18作中9本を占めているのです。ちなみに前クールは4本だったほか、この2年間は2~4本で推移し、これほど多いのは3年前の2014年春に7本が放送されて以来です。

◆初回視聴率トップ4を刑事ドラマが独占

 もともと春ドラマは、「新年度のスタート」という世間の空気を踏まえて、主人公が新たな仕事に挑む姿や、恋人との出会いを描いた物語が中心となっていました。なぜこの春は事件解決モノが多いのでしょうか?

 その理由は、「事件解決モノは、他のジャンルに比べてリアルタイム視聴が見込める」から。1話完結のフォーマットが多く、「内容がコンパクトでサクッと見られる」「何回か見逃しても問題ない」などの気軽さがあるため、他のジャンルよりも録画視聴される割合が少ないのです。

 一方、テレビマンから見た事件解決モノは、「安定した視聴率を稼げて、大コケの心配が少ない」手堅いコンテンツ。また、前クールの平均視聴率1位が『相棒』(テレビ朝日系)15.2%、3位が『科捜研の女』(テレビ朝日系)11.7%だったように、ヒットシリーズになる可能性を秘めているのも魅力です。

1/3ページ