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「質」の時代に「量」から逃れられないパブリッシャーたち

4/30(日) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

コンデナスト(Conde Nast)のエグゼクティブでありインタラクティブ広告部門のチェアマンであるジム・ノートン氏のスピーチは称賛を集めた。

アメリカのオンライン広告の業界団体インタラクティブ広告協議会(Interactive Advertising Bureau:IAB)が毎年開催するリーダーシップ・ミーティングでのことである。釣りタイトル(クリックベイト)やフェイクニュースが蔓延するなか、クオリティの高いエディトリアルコンテンツの横でのみ自社の広告が表示されるよう、ブランドたちは取り組まないといけないと呼びかけたのだ。

2017年、クオリティが大声で求められているがデジタルメディア業界では、スケールに対する需要は決して消えたわけではない。

株式公開、もしくは会社を売却することをめざし、マネタイズに勤しむ広告主体のパブリッシャーたちにとってスケールは重要だ。そして、バイサイドにとっても重要である。ブランドやエージェンシーと話しをする際、月間のユニーク訪問者数は会話の一番最初に上がる。Vice Mediaといったパブリッシャーたちも、いまだに彼らの抱える独立したサイトたちをコムスコアのオーディエンス総計に含めているのはそのためだ。

アソシエイテッドコンテンツ(Associated Content)の元CEOで、シェアスルー(Sharethrough)の社長であるパトリック・キーン氏は言う。「2017年の広告バイイングにおいて、いまだにコムスコアの表を手に、何を購入すべきかを決める20代のバイヤーがいる。ブランドやエージェンシー同様、彼らにとっても従来の大きなサイトブランドに囲まれることが重要なのだ。彼らは同じ口でまったく矛盾する発言をしている。結局、クオリティよりもスケールのほうが重要なのだ」。

バイサイドに潜む問題点

ユーザー・ベースのターゲティング手法が台頭し、広告のビューアビリティ(可視性)が重視されるようになったいま、両方を確実に運営するためにはスケールが必要であると、ポップシュガー(PopSugar)のジェフ・シラー氏は言う。

「もちろんクオリティとクリーンなサプライチェーンにフォーカスが置かれるものの、パブリッシャーがそれだけをベースに営業するのは困難だ。有機的な成長もしくは(買収といった)無機的的な成長を通じて、そこに辿りつくしかない」。

ポップシュガーはオーディエンスの特性が混ざっていないことをプロモーションの中心に据えている。ほかのサイトをコムスコアの数字に含めていない。そしてエージェンシーとのミーティングにおいては、オーディエンスのリーチとともにエンゲージメントも揃えてプレゼンすると、シラー氏は述べた。

しかし、近年のエージェンシーの運営方法もあり、限られた時間のなかでエージェンシーの人間は、ただコムスコアの数字だけを見てしまいがちだ。それがスケールを持つパブリッシャーにとって有利に働くのだ。「我々は若い世代に向けたコンテンツを書いているので、若いバイヤーたちは我々を気に入ってくれているが、すべてのブランドがそういうわけでは無い。明らかにそれは問題点となっている」。

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