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友人から預かった「犬」が人に危害…責任は私にある?

4/30(日) 6:00配信

オトナンサー

 法律の専門家である弁護士が、私たちの暮らしに身近な事象についてわかりやすく解説します。今回のテーマは「友人から預かった犬が他人にけがをさせたら」、取材に応じてくれたのはアディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士です。

「友人がどうしても家を空けなければならず、飼っている犬を預かってほしいと頼まれ、1週間ほど預かることになりました。散歩中、小学生数人が走って近づいてきて突然、犬に触ると、犬は大声で吠え、驚いた小学生たちは走って逃げていきました。幸い、何事もありませんでしたが、もしも犬が子どもにかみついてけがをさせていたら、私の責任になるのでしょうか」

ペットの「占有者」は誰なのか

Q.預かったペットが他人にけがをさせたら誰の責任になりますか。

岩沙さん「犬の散歩中、その犬が他人にけがをさせてしまった場合、民法はペットの『占有者』が損害賠償責任を負うと定めています(民法718条)。ここで問題なのは、誰が『占有者』であるかです。学説上、実際に犬を散歩させていた人が『占有者』にあたることで一致しています。つまり、あなたは、犬が他人にかみつかないように注意していたことを証明できなければ、責任を負うことになります」

岩沙さん「しかし、犬を預けていた飼い主が『占有者』にあたるかどうかは議論の余地があります。民法718条は、動物が他人に危害を与えることを最もよく阻止しえた者に責任を負わせる規定と考えられます。実際に散歩させていたわけではない飼い主は、かみつきを阻止できないため、少なくとも同条においては責任を負うことはありません。ただし、飼い主が全く責任を負わないというわけではなく、たとえば、犬の『かみ癖』を伝えずに預けて、その犬が他人にけがをさせた場合、別途責任を負う可能性があります」

ペットの性格や癖を伝えること

Q.ペットシッターなどのプロに預けていた場合はどうなりますか。

岩沙さん「ペットシッターは動物のプロであり、彼らにペットを預けていれば、原則的に飼い主は責任を負わないと考えられます。しかし、預ける際にペットシッターにきちんとかみ癖を伝えなかった場合は、やはり責任を負う可能性があります。他人にペットを預ける際は、その子の性格や癖、他人にけがをさせないための注意点などを、しっかりと伝えることが重要です」

Q.そもそも飼ってはいけないペットはありますか。

岩沙さん「どのような動物を飼育しても、基本的には自由ですが、生態系に影響を与える『特定外来生物』は法律によって飼育が禁止されています。たとえば、アライグマは捕食対象が非常に広く、日本固有種への影響が懸念されているため、飼育が禁じられています。またトラやタカ、ワニ、マムシなど人に危害を加える恐れのある動物を飼育する場合は、知事の許可などが必要です」

Q.今回のケースに関してまとめをお願いします。

岩沙さん「ペットは家族の一員という人もたくさんいると思いますが、そのペットが思わぬ事件を起こしたことで、離れ離れになってしまったという話もよく耳にします。大切な家族を失わないように、きちんとしつけて、他人に預ける場合はその子の特徴を伝えることが重要です。生物の命を預かることの責任の重さをもう一度、見つめ直しましょう」

オトナンサー編集部

最終更新:4/30(日) 6:00
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