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家畜商の資格まで持つ寺門ジモンが語る“赤身肉ブーム”の本質 「売るための言葉に踊らされちゃいけない」

4/30(日) 10:00配信

週プレNEWS

アマゾンでひっそり売られている、めくってもめくっても肉の写真ばかりの、肉好きの通たちから崇められている『MEAT JOURNEY』というカレンダーがある。

【画像】肉の伝道者・寺門ジモン!

このカレンダーを作ったのが、芸能界最強のグルメ王・寺門ジモン(ダチョウ倶楽部)だ。前編記事「嫌がらせで名刺代わりに配ってます!」では、このエッジの効きまくったカレンダー制作秘話について聞いたが、今回は肉の競(せ)りに参加できる家畜商の資格までも持つというジモンさんに、うまい肉とは何か?から昨今の赤身肉ブームについてまでをお伺いしてみた!

―ところで、ここ最近、牛肉は霜降りではなく赤身が美味しいという流れになっていますが、そのトレンドについてはどう思いますか?

寺門 確かに今はそういう風潮になっていますね。僕からしたら、赤身っていうのは「あか牛(熊本や高知の国産牛、赤身肉の旨さが特徴)」のことを言っているんですか?と聞きたいくらい。でも、みんなが言ってるのはこれじゃない。普通、赤身といえば、ヒレ肉やロースの霜が入っていない、脂が少ない赤い部位がメインの肉を思い浮かべるよね。でも本当の牧草系の赤身はすごく堅いし、筋張ってて食えたもんじゃないですよ。赤身も霜が入ってなかったらパサパサですから。

つまり、赤身がうまいのは、実は細かい霜が入っていて、そのおかげでジューシーになるから「赤身として美味しい」わけなんです。「赤身ステーキ」は商売の言葉なんですよ。「熟成肉」と同じ。売るための言葉に踊らされちゃいけないわけです。

―完全に踊らされていましたよ(笑)。美味しい赤身って、実はほんのり霜降り肉だったんですね!

寺門 そう! でも、かといって霜があれば、なんでもいいわけでもないのが難しいところで。白くて花が咲いたようなきれいな霜が入ってる肉を食べて、胃もたれすることもあるでしょ? あれはなぜかというと、いわゆる去勢牛(オス)の脂で、メスに比べてあまり質が良くないんです。

―同じ牛でもオスとメスで脂のうまさが違うんですね!

寺門 メス牛の脂はサラサラ、青魚のような、もしくはナッツのような脂だからしつこくなくて爽やかで美味しくて甘みがあって香りもある。さらに、メス牛の脂は融点が低いから、脂が消えることによって赤く見えるんですよ。だから見た目は真っ赤だけど、食べたらジューシー。究極なことを言うと、美味しい赤身というのはメス牛の赤身のことです。

―これからはメス牛中心に食べて行こうと思います(笑)!

寺門 ただ残念なことに、脂の美味しいメス牛は圧倒的に流通量が少ないという現状があります。というのも、メス牛は子どもを産むし、肉にもなるから重宝されるわけですよ。当然、値段も高い。そうなってくると、多くの人は脂の味が多少落ちるオス牛(去勢牛)を食べざる得ないわけです。


―そんな状況があったんですね…。

寺門 とはいえ、今、日本や世界で高価なはずの牛肉が広く食べられるようになったのは去勢牛(オス)の普及のおかげだという一面もあります。

また、オス牛だって去勢をすることで肉質を軟らかくし、体を大きくして霜降り状態にすることで美味しい肉になる努力がたゆまなく行なわれています。だからサーロインに背脂をつけて食べていたアメリカ人なんかが、神戸牛を食べて最高だと言うんですよ。

―昨今の赤身肉ブームは健康ブームからの流れでもありますが、そもそも美味しい肉というのは適度に霜が入っているので健康からは離れていますね…。

寺門 実は健康にいいものと美味しいものがイコールかというと医学界でも答えは出ていない。いいですか、食べ物を美味しいと思って噛みしめると唾液が分泌して消化が促進されて、体によく入っていくから栄養になるんですよ。すごくヘルシーと言われている食べ物でも、こんなものを食べないといけないのかと思って、唾液も出ないままだと吸収もされませんよ。

現に僕は55歳だけど、普通に好きなものを食べているからか、髪を染めたことがないです。細胞再生部分でいえば、好きなものを食べるほうがいいんじゃないの? 今日は生姜焼きを食べたい、と思える人のほうが今、自分が求めている栄養素を摂れるんじゃないかなって思いますけど。

―例えば、今日はコレだという食のインスピレーションが降りてきます?

寺門 それもあるけど、ややこしいことに僕は年間でレストランの予約が入っているから、それに合わせて体調を作っていく感じなんだよね。今日は寿司で塩が多いから…って、つまり、寿司は塩で仕事したものをしょう油で食べてるからね。それで塩を控えようとか、時間までに美味しく食べるために体調を整える。

僕は生きるために食べてるんじゃなくて、美味しいものを食べるために生きているんです。それが持論です。

(取材・文/渡邉裕美 撮影/鈴木昭寿)

■寺門ジモン(てらかど・じもん)
1962年生まれ、兵庫県出身。ダチョウ倶楽部で活躍するほか、『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ)などTVや“旨い”を追求する会員制グルメサイト『食べマスター』にて、あらゆるグルメ情報を発信。

最終更新:4/30(日) 13:21
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